ヘッダー

家を買う(13) 設計を決める

【今回関わる人】
白石さん・・・中古マンション仲介やリノベーションをまるっと面倒みてくれる「すまいクリエイト」の設計担当。
※企業名・個人名はすべて仮名です。

 ついにリノベーションの打ち合わせが始まった。「すまいクリエイト」に赴き、設計担当の白石さんと「手に入れた物件のカタチをどう変えるか?」という話をした。この打ち合わせの前に、どのような部屋にしたいかということを記載した用紙を提出していたので、リノベの計画図面はその希望を落とし込む形で描かれていた。

 ちなみにわたしの希望は

・ウォークインクローゼットがほしい
・キッチンの壁をタイル貼りにしたい
・各部屋にアクセントクロスを使いたい

ということ。このうち、設計にかかわることといったら間取り変更を必要とするウォークインクローゼットだけ。

 契約した物件のもとの間取りは3LDK。床面積は約60㎡。もともとがファミリー向け物件なので、部屋数が多くて、そのぶんひと部屋ひと部屋が小さい。

 これくらいの3LDKならば、リビングと隣の部屋との仕切り壁を取っ払って、大きなリビングを有する2LDKにするというケースが多いようだった。実際、白石さんが見せてくれた計画図面もリビングダイニング(11帖)と隣の和室(6帖)の間の壁をぶち抜いて2LDKにしたものだった。

画像1

※上の間取りはわたしがラフに描いたものなので、いろいろズレてるところがあります。
※WICはウォークインクローゼットです。

【補足】そもそも、ひとり暮しのくせになんでファミリー向けを買ったのかってことに触れていなかったけど、中古の物件は単身者用のものがなかなかない。こればっかりは時代だろうね。分譲マンションに単身で住むって感覚が昔はなかったんだと思う(新しめの中古では単身者用もないことはないし、新築物件でも単身者用は今後増えてくると思う。実際一番最初に見に行ったのも1LDKの新築分譲だったし)。わたしの場合、物件を探す時間の短さや予算の問題があったので、最終的にファミリー向けを選ぶことになった。住んでみての感想についてはまたいずれ。

 話を戻して「すまいクリエイト」のリノベーションの価格は、ざっくり面積あたりの基本料金が決まっている。わたしの場合は基本料金が650万円ほどになる。で、この基本料金に何が含まれるのかというと、主に以下のとおり。

①バス・トイレ・洗面台・キッチンの取替
②壁紙・床の貼り替え(選べるクロス・床に制限あり)
③室内配管・玄関ドア鍵シリンダーの取り替え
※これに関わる工事費・諸経費含む

 ここに入らない部分はオプションで、追加料金がかかってくる。さっきの図面のとおりにリノベーションを行うとなると、合計見積金額は850万ほど。これは「基本料金(650万)」プラス「想定追加料金」で算出されている。つまり、200万円くらいは上乗せ分ということ。

 追加料金の内訳をざっくり言うと、ふた部屋を1つに繋げたり、ウォークインクローゼットを作るために行う間取り変更のための壁解体・新設の料金が合わせて50万ほど。

 そして、ウォークインクローゼットの中に渡す棚板とパイプの料金が5万ほど。間取変更でできたデットスペースを利用する形で据え付ける収納棚2つ(上の間取りには描けなかった)の料金が合わせて5万ほど。内窓3ヶ所が合計50万ほど。トイレ、洗面所、リビング、他の2部屋につけるドアの料金が全部で30万ほど。電気温水器の取替に30万、その他細かいものが諸々2万ほど。ここでもう170万ほど追加でかかる計算。すまいクリエイトが見積もった想定追加料金まで残り30万ほど。キッチンタイルとか、アクセントクロスとか、この残り30万でどうにかなるんだべか・・・。

 もちろん、間取りも変更せず、建具ももともとあったものを使えば、この追加料金の部分をぐっと減らせるんだよ。だけど間取りは、ひとりで暮らすには部屋数が多いので余計な仕切りはなくしておきたいし、建具のほうも住み始めの時点でもう古いとなると、遅かれ早かれ取り替えないといけないときが来ることを考えれば、今新しくした方が良い(あとからちょこちょこ取り替えるのも面倒だしね)。 

 ほか、もともと希望に入れてない2つの収納棚も、便利だと思ったので削りたくない。電気温水器の取り替えも38年モノからの取り替えは必須だし、あえて削るとするならばドアの枚数くらい。結局、リビングダイニングの隣になる部屋のドアをやめて(図面には反映させています)、お気持ち程度、5万円ほどの節約をした。

 せっかく家を好きに作り変えるんだから妥協したくないという思いと、ちょっとでもいいからお金を節約したいという思いのせめぎ合いは悩ましい。しかもこのせめぎ合い、これで終わりじゃない。この日はあくまで設計部分の計画だけで、後日、内装の部分の打ち合わせもある。タイルやクロスはどんなものを選ぶかによって金額が違ってくるから、この打ち合わせは楽しい反面、苦しいものになるだろう。

 引っ越しまであと半年。このあとわたしは、庶民的な金銭感覚がマヒしていくことになる。

 続く。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?