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家を買う(14) 見た目を整える

【今回関わる人】
丸山さん・・・中古マンション仲介やリノベーションをまるっと面倒みてくれる「すまいクリエイト」のインテリアコーディネーター。
※企業名・個人名はすべて仮名です。

 前回、すまいクリエイトの設計担当白石さんと、リノベーションの設計部分の打合せをした。間取りはどうするかに始まって、どの壁を壊すか、どの壁を作るか、収納はどうするか。そんなような話。間取りを変え、大きな収納やら棚やらを作ったことで追加の費用が既に170万ほどになってしまっていた。

 打ち合わせ2回目・3回目は建具や壁紙、床材など内装の「見た目」に関わるところを決めていく。担当はインテリアコーディネーターの丸山さん。

 まずは、キッチンやトイレ、バスルームなど、何種類かのカラーから好みに合うものを選んでいく。わたしはキッチンは白、トイレはアイボリー、洗面台は白にして、バスルームの浴槽は白、床はアイボリー、壁のアクセントはブラウン、ということにした。これはそれぞれ選択肢が3つくらいしかないので考えるのは楽だった。

 次に床材。脱衣所とトイレは白めの板張りに見えるクッションフロア。それ以外の場所はすべて合板フローリング材の暗めのブラウンに統一した。

 次に壁紙。一番広いリビングはベーシックな白を選んだ。もともとスコンと日の当たる部屋ではないので、せめて壁が明るければと選んだもの。リビングから繋がる寝室も基本同じ壁紙。リビングから寝室までの天井は、コンクリート打ちっぱなしっぽく見えるようにグレーのクロスを選んだ。トイレ・玄関・脱衣所はリビングと同じ白の壁紙。ここの天井は壁紙とそろえた白。

 ここまでは全てリノベーションの基本プラン料金に含まれる標準仕様のもの。何選んだって価格が変わることはないし、選択肢も少ないから、選ぶのにそう苦労はしなかった。このまま全てを標準のもので固めてしまえば計画は楽だし工事費は安く済むし、良いことづくめじゃんと思うが、それでは面白みはない。アレンジを加えないのであれば、間取りもデザインも画一的な新築分譲を選んだ方がいい(間取りはどうにもできないが、新築でも着工前ならある程度水回り・建具・壁紙・床材のカラーは選べる)。

 わたしは自分の好きにしたくて中古リノベーションを選んだんだから、ここからは見た目にこだわっていろいろオプションでプラスしていく。オプションはメーカー、素材は自由。壁紙ひとつとっても無数に選択肢がある。それだけに価格や素材で悩みに悩んでトントン拍子になんて進まないのなんのって・・・。だから打合せが2回必要なのかも。

 下の図に赤で書き込まれたところが今回オプションで追加した部分。

画像1

 まず、前回の設計打合せの後に追加したものがあった。寝室として使う予定の5帖の部屋、寝るだけの部屋だけど、ちょっとくらいの明かり取りがほしいと思い、室内窓をつけることにした。これは窓枠の材質を木枠にして、ガラスはモザイクガラスを入れることにした。これで15万円追加。

 次にオプション壁紙。一番広いリビングがシンプルな感じに落ち着いたので、寝室やトイレでアクセントクロスを使ったり、玄関側の4.5帖の部屋に至ってはがらっと雰囲気を変えたくて、壁前面と天井すべてをオプションの中から選ぶことにした。これについては、2回目の打合せのときに丸山さんから「次回の打合せまでに壁紙メーカーのWEBカタログを見てある程度どういったテイストのものがいいか決めて来てくださいね」と宿題を出された。参考にしたものは以下に。

 カタログを見ていくと、全てではないんだけど、1㎡あたりの価格が表示されているものもあるので、その中からなるべく値の張らないもので自分の好みに合った壁紙を選んでいった。貼る面積はもらっている図面を見れば大体算出できるので、おおよその金額というのも見当がついた。

 好みに合ったものがピックアップできたら、どのカタログの何番かを書き留めて、3回目の打合せで実物のカタログを見ながら(WEBカタログでは実際の色味や質感が解らないので)最終的な判断をする。今思えば、壁紙は他のオプション部分に比べればそこまでビビるような料金でもなかったなあ・・・。すべてひっくるめて6万円ほどの追加。

 次。どうしてもやりたかったキッチンの壁のタイル貼り。これはすまいクリエイトには見本がないため、2回目の打合せ終了後、市内のタイル屋さんへ実際に見に行った。こんなことでもなければ一生行かなかったと思う。幸い、好みのタイルがすぐ見つかったので品番を控えて丸山さんにメール。3回目の打合せ時には見積もりができていた。タイルは工事費込みで12万円。

 初回打合せ時からまた33万円ほどの追加。あとからリビングの窓に網戸がついていないことが発覚してこれも追加して4万円増。すまいクリエイトの想定した追加工事費200万円を少し出てしまった。あらかじめ、ほとんどの人が想定予算を超えてくるとは聞かされていたけど、やはり予算を節約できないばかりかオーバーしたことにはちょっとガックリ来てしまった。

 だけど、物件を探して決めてローンの契約をするという流れの中で、毎回毎回何十万とか何百万とかいう数字が頭の中に飛び込んでくる生活だと、1ヶ月も経過する頃にはお金に対する感覚がゆるくなってしまう。何て言うか、さっき書いたオプションクロス代6万円だってね、普段財布にも入ってないし、カードでも切らない額なワケ。6万円の服なら「うわ高ぇ・・・」となるところ、数百万でマンション契約した頭だと「まあ安いんじゃね?」となるんだから恐ろしいよ。

 だから、今こうやってリノベーションの計画をしているけど、あんまりお金がかからないよう節約しようって思ってたって、そもそも頭のネジが数本抜けちゃってるんだから、これをきちんと判断できる人なんてそういないと思う。一括でなくてローンを組んで支払いをするというのも、高い安いの判断を狂わせる一因である。

 きっと、ローンで支払うとなると数十万のものをプラスしたって月々の支払いには大きな差が出てこないから、そうなるとあれもやりたいこれもやりたいって欲がどんどん出ちゃう人もいると思う。わたしはまだ押さえられた方かも。画一的ではないけど、出しゃばってもいない。そんなところに落ち着いたかな。

 そして、4回目でこれまで決めたことを再確認して打合せは終了。リノベーションの合計金額は855万円となった。金額は大きくなって気は重くなったけど、家をどう作るか、アレンジするかという前向きな打合せは、全行程の中で一番楽しかった。

 この数回の打合せと並行してお金の手続き関係も進んでいった。その部分についてはまた次回。


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