5.預金はどうする?

 預金の年利が普通預金で2%前後、定期預金で10%前後という時代があったんですってよ奥さん。信じられない!年利10%なんて、10万円を預けているだけで、1年1万円ずつ増えて行く。11年目には元本を越える。「定期に預けてりゃひと財産作れた」って人生の先輩方は言ったけど、そんな時代があったのかと現代の働く世代は驚きを隠せないのだ。

 今なんて、定期預金にしたって金利はぜんぜんつかない。年利0.03%とか、そんなもん。10万預けてたって、年30円とかよ。それっぱかしのために定期預金するのなんてバカらしいねって思っちゃう。

 ああそうか、預金というものの定義が変わったなこれは。昔はいわば「増やす」ための預金、今は「守る」ための預金だ。金利はほぼつかないから増えることを期待して預けたりはもうできない。ただ「銀行」という自分から離れた場所に預かってもらって、すぐに手をつけないように守ってもらう、という感じかな。

 でも、その守ってもらうお金を捻出することが今の働く世代はなかなか難しいんじゃないかと思う。

 老後、自分を支えるお金を、けっこうな額自分で稼ぎ出さないといけないのにね。年金は思ったよりもらえないということは前に書いた記事のとおり。

 わたしはいい歳して貯蓄が75万しかないんだけど、うち20万はゆうちょ銀行、残り55万はネット銀行に預けている。

 ゆうちょは昔、親が作ってくれた口座だ。ありがちかな、郵便局はどこにでもあるし、手数料がかからない取引が多いし、預金の金利も当時、民間の銀行よりもよかったからだと思う。ATMでのお金の出し入れが手数料無料という便利さから、わたしはこの口座を財布代わりに使っていて、ついでに定期預金と貯蓄預金をしている。公共料金の支払いもこの口座から引き落とされる。

 一方のネット銀行、わたしは楽天銀行なんだけど、昔ちょっとしたおこづかい稼ぎをしていたことがあって、そこの指定銀行が楽天(当時イーバンク)だったのだ。そういった目的で作った口座だったからたいして便利に使おうと思ってなかったんだけど、そのお小遣い稼ぎをやめて、口座を解約しようか悩んだときにいろいろ詳しく見てみたら、貯金の金利が店舗型の銀行に比べいいということを知った。

 めんどくさくてキャッシュカードも作っていなかったので、ここに貯蓄すればカンタンに引き出せないし貯まるんじゃないかと思ったのだ。解約はやめて、大きなお金が入ったら定期預金をした。どこに預けたって昔のようには増えないが、それでもだいぶましである。

 それで、今までは普通の定期預金をしていたのだが、最近「仕組預金」というのが気になっている。複数の銀行が扱っているようだが、楽天銀行の場合は「エクステ預金」という名前の満期特約定期預金があって、預金期間が長いかわりに普通の定期預金よりも格段に年利がいいのが特徴である。(金利はたびたび変わるが、ステップアップタイプが10年目の年利が0.75%、フラットタイプが年利変わらず0.52% ※2015/11/25調べ、税込み。)

 ただ、このエクステ預金は、10年という長い期間、解約が出来ない。いや、正確に言うと解約はできるのだけれど、10年未満で解約する場合は、大きく元本割れする可能性が高い、となっている。なのでこういった仕組預金についてのレビューを見ると、これは「リスク」であるという表現がされている。

 しかし、わたしはこれを「リスク」とは思っていない。

 だってそもそも定期預金って、解約前提でするもんじゃないべさ。

 先ほど言ったことと同じ。「守る」ための預金なのだから、10年手をつけられない、ということの方にわたしは魅力を感じる。簡単に解約できてしまったら結局使っちゃう可能性が高いのだし。

 「そんなこと言って、その10年の間にもっと金利のいい定期が出てきたら後悔するよ」って言う人もいると思うんだ。でもね、金利が上がるってことのほうが疑わしいよ。そりゃ昔は良かったかもしれないけど、今は低金利時代だから、いつか金利が上がるかも・・・なんて希望持てないよね。

 解約の場合は元本割れするけど、満期まで預けた場合は元本保証はしてくれるのだし、他よりずっといい金利が付いてくるのだから、わたしはそれでいい。決して、バクチのような選択ではないと思う。次まとまったお金が入ったときに、いくらかはこの仕組預金に回そうと思っている。10年解約出来ないなら全部は突っ込まないようにすればいい。

 10年後、自分を助けるかもしれないお金をまず作っておこう。

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