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日常

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ただの日記
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2015年11月の記事一覧

よいこはまねしないでね その2

 小学生の頃、わたしはぜんぜん女の子らしくなくて、がさつだった。おしとやかさの欠片もなかったのである。  ある時、わたしはいい遊び道具を見つけて興奮した。そこにはもう使い古しの、パチンコ玉大まで小さくなった消しゴムがあった。それを見てわたしはなんとも手頃でちょうどいい大きさだと思った。何にちょうどいい大きさかって、そりゃあアナタ、鼻の穴に入れるのにちょうどいい大きさよ。  子供の考えることってバカだよね。わたしも、小学生くらいのときはもう単細胞なモノの考え方してたみたいで

ジイちゃんでてきた

 数日前に、雪がドカっと降った。あまりに急だったため除雪も追いつかず、道路はガタガタ、歩道はツルツル。ほんとうにキケンである。  こんな日になると思い出すことがある。何年前だったか、こんなドカ雪が降ったあとのことだった。  その日、出先から帰って青空駐車場に車を入れた。いきなり積もったので除雪はされていなくて、車のまわりはふかふかの雪が山みたいになっていた。特に、車の後方は、気をつけないとマフラーが埋まってしまうほどの山だったので、若干前のほうに停めて、マフラーが呼吸でき

モヤモヤ

 仕事というものは、誰かに教えてもらうより、なんにも解らないところから苦しんで学んだほうが身につく、と解ったのは社会人になって5年くらい経ってのことだった。  他人には他人のやり方があって、それは自分にとってはやりにくい方法であることが多いのだし、それならモノの使い方ひとつ覚えるのでも、他人に教えてもらうより、万人向けに作られたマニュアルを読み込んで、あーでもない、こーでもないと体当たりで覚えていくほうがいい。  わたしはそういう覚え方に慣れてしまったので、だいたいのこと

日本人よ恥を知れ

 百円ショップで買い物。安いと思ったらあれもこれもと買い込んでしまうが、混んでいて途中で意欲をなくしてしまった。なので物色はそれでおしまいにしてレジに並ぶ。すごい列だ。もうやめて帰ろうかな・・・と思った瞬間に列がどんどこ進み、レジの兄ちゃんから「こちらどうぞー」と呼ばれた。  「いらっしゃっせ。ポイントカードお持ちですヵ・・・?」  何だ、早口なうえに聞き取りにくいな。  「えー、3点で324円になりま・・ゥ・・・」  「袋はお使いです・・ァ・・・?」  なんだコイ

写真がつまらなくなった

 写真がつまらなくなっている。いつでも、誰でも、カンタンキレイに失敗なく写真が撮れるようになったからだ。スマホでも、デジカメでも、液晶で見たとおりに切り取られ、ボタンひとつでピントが合い、無難な写り。もし失敗してもすぐ削除。撮ったらすぐ見れちゃうから、プリントもしなくなった。  わくわくした感じがないのだ。高性能のデジタルカメラというやつは。  昔はだいぶ違った。フィルムを使うカメラが主流だった頃は、写真はファインダーで見たとおりになんか到底写らない。しかも、どう写ったの

カラスの開き

 今年の夏は暑かったが、その盛りにとなりの市までランニングをしたときにヘンテコなものを目撃してしまった。  大都市札幌といえども、少し走れば畑が広がっている。あまりの熱気にふらふらしながらも畑のほうに目をやると、カラスのようなものが畑の脇の草むらに落っこちてた。  「いる」とか「置いてある」といった感じではなく、まさに落っこちているという風情である。それは、真っ黒のカラスが羽を大きく開いたような格好で、1ミリも動かない。最初は死骸かと思ったが、それにしては不自然なポーズな