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「悲しみの果て」の演奏にみるエレカシと縦横無尽バンド 〜エレカシファンも縦横無尽版を見てくれ〜

こんにちは、宮本浩次が好きすぎる人、麻依子です。

今日は、エレカシとソロ宮本浩次の両方を熱烈に応援しているファンとして、エレカシの良さ、縦横無尽バンドの良さをそれぞれ語ってみたいと思います。

まえがき

みなさんご存知の通り、ソロ宮本浩次は縦横無尽バンドでも「悲しみの果て」の演奏をしています。
エレカシの熱烈なファンであればあるほど、エレカシ以外のバンドで「悲しみの果て」が演奏されることが受け入れ難い(それこそ「悲しみの果て」だぜ!のように)、と感じている人も少なくなかったと思います。

が、縦横無尽バンド版の「悲しみの果て」にも良さがあるので、今回はそれぞれの違いと、それぞれの良さを解説してみたいと思い立ちました。

このタイミングで記事にしたのは、宮本浩次が「俺は今後も本気でエレカシやっていくから!」と表明したことでエレカシファンが安心した頃合いだと思ったからです。今なら言える!縦横無尽バンドも悪くないぜ!って!

エレカシの 「悲しみの果て」

まずはエレカシが演奏する「悲しみの果て」について解説を試みます。

「悲しみの果て」は言わずと知れたエレファントカシマシの代表曲の一つですが、私はこれを、エレカシの楽曲の中でも、特に「バンドの曲」であると捉えています。

エレカシのコンサートって、次のようなイメージが割とあると思ってて。

  1. 歌係が楽器隊を引きずり回す

    • 例: 歌いながら「もっとテンポ上げろ!」のような指示を出しまくる
      (しかもそれが CD バージョンより異様に速かったりする)

    • 例: 突然「もう一丁!」で間奏が伸びたり、曲自体が伸びたりする
      (いつもこれに普通に対応しているエレカシのメンバーって凄いよね)

  2. 歌だけが自由に一人歩きをする

    • 例: 楽器隊の演奏に対して、明らかに歌が遅れていく
      (「序曲 夢のちまた」などでよくみられる演奏スタイル)

前者は、指揮者としての歌係に楽器隊が合わせるある種オーケストラのようなスタイルですね。後者は、楽器隊を無視して歌係が暴走するという、よく分からない面白さがあるスタイル。歌だけがどんどん遅れていくのに何故か最終的には帳尻が合うのをいつも不思議な気持ちで眺めています。

でも「悲しみの果て」はどちらのスタイルでもない曲です。
なぜなら曲の構造自体が、

 「歌(主役) + 伴奏(脇役)の音楽」

ではなくて、

 「4種類の楽器(ボーカルは楽器の一種とみなす)全てが主役の音楽」

になっているから。

具体例を出してみると、「素晴らしい日々をーーー」の部分、歌が音を伸ばしている間に、楽器演奏で4拍の音が入りますが、歌声もそれに合わせて揺らすような歌い方になっています。曲の全編でそういう合わせ方が必要になっているので、この曲においては歌の暴走はありえないのです。

つまり、「悲しみの果て」は、誰か特定の一人(というか歌係)に合わせるのではなく、4人全員がお互いに息を合わせる前提で作られている曲だという意味で、エレカシの楽曲の中でも、特に「バンドの曲」だと考えています。

縦横無尽バンドの「悲しみの果て」

これがエレカシにおける「悲しみの果て」でした。

が、縦横無尽バンドで演奏される場合には話が違ってくるのです。
結論から言ってしまうと、縦横無尽バンドの演奏は「バンド」ではなく「歌モノ」です

先ほども書いたとおり、「悲しみの果て」は曲の構成そのものが「4種類の楽器(ボーカルは楽器の一種とみなす)全てが主役の音楽」のザ・バンド!の曲なのですが、縦横無尽バンドは、これを

 「歌(主役) + 伴奏(脇役)の音楽」

として再構成しているようなのです。

まあ、縦横無尽バンドは宮本浩次のソロ活動の一環なので、歌が主役のかたちで調理されるのは当然といえば当然ですね。

その方向性で再構成された結果、ザ・バンド!の曲だったはずの「悲しみの果て」も、微動だにしない楽器演奏の上に歌が乗っかる、という形になっています。
もっと分かりやすくいうと、楽器隊の 3人が息を合わせた盤石の演奏がベースにあり、そこにボーカル宮本浩次が歌を合わせにいっている。

これはつまり、いつもエレカシを引き摺り回している宮本浩次が、楽器隊に引き摺り回される側になるという、面白いものがみられる場でもある。笑

ちょっと脱線しましたが、とにかく、縦横無尽バンドの演奏は歌モノで、歌の良さ、歌詞の良さ、メロディの良さが引き立つかたちになっていますから、「悲しみの果て」の楽曲そのものをより楽しめるのではないかと思います。

まとめ

ここまで書いてきたことを整理すると、こうなります。

  • エレカシの「悲しみの果て」 
    = 4人一塊のザ・バンド!の音楽 
    = 全体のサウンドが映える(が、歌やメロディの良さは見えづらい)
    = 「最高のバンド感」を楽しめる

  • 縦横無尽版「悲しみの果て」 
     歌が主役の、歌モノの音楽
    = 歌詞やメロディが映える(が、バンドサウンドの良さは隠される)
    = 「楽曲そのもの」を楽しめる


ということで、それぞれ面白さがあるよね、という結論でした。
ちなみに、ここまで書いておいてなんですが、私個人としてはエレカシの「悲しみの果て」の方が圧倒的に好きです。そりゃそうでしょ。

でも、楽曲そのものの良さを再発見する一つの機会として、縦横無尽版の「悲しみの果て」を聞いてみると、エレカシの良さも再確認できて、もっと楽しめるよ!という話でした。

それに、あの横暴な(コラ)宮本浩次が引き摺り回されているところが見られるのは、縦横無尽バンドだけ!面白いから見て!笑

おまけ: 宣伝

個人的に、引き摺り回される宮本浩次の面白さがいちばん楽しめるオススメの作品は、「sha・la・la・la」初回限定盤についてくる JAPAN JAM の音源です。

縦横無尽ツアーの映像では、素直に歌モノとしての良さが確認できるので、こちらも是非。


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