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子どもの入院に付き添う大人は想像以上に体と心にダメージを受ける。

子どもの入院の付き添いにどんなイメージを持っていますか?
ベッド脇でゆったりリンゴの皮でもむいてあげる・・・私はこれまで、そのようなイメージしか持っていませんでした。付き添っている大人は、健康ですしね。

私は、長男が1歳半の時に、まだ原因が解明されていない"川崎病"の治療のため1週間泊まりで入院に付き添った経験があります。また長女が生後数ヶ月の時にも数日入院付き添いをしました。

子どもはちゃんと元の生活に戻る事が出来るんだろうか・・・
そんな大きな不安の中で感じたのが、 

「子どもの入院の付き添いって、親の体も、心も本当に疲れる!!」ということ。
あまりにしんどくてイメージとのギャップに驚いてしまいました。

そして、それを口に出せない。ましてや、大人の心の動きは小さな子どもに簡単に伝わってしまいます。そんな状況がとても大変でした。

今回は、そんな小児病棟での親の付き添いについて、経験を元に書いていきたいと思います。

家族で辛さを分かち合いたい・助け合いたい

私たちは辛うじて、夫婦交代で乗り切りましたが、周りを見るとほとんどがママ1人での付き添い。お腹の大きな妊娠後期の妊婦さんさえいました・・・。

おそらく、その間働いているであろうパパたちは、当初の私と同じく、入院付き添いのキツさを知らないのかもしれません。そこにいるママたちも初めは知らなかったけど言い出せない・・・そんな状況なんだと思います。

でもお子さんの入院という出来事は、家族で乗り切るべきことだと思います。
現実的に夫婦交代での対応が難しかったとしても、この大変さを家族で分かってもらうだけでも救われると思います。

大変な理由①まともな食事ができない

病院食は基本的に患者だけを対象にしています。
また、病室での患者以外の飲食を禁止している病院も。私は、隙間時間を見計らって病院内のコンビニで購入して、中庭のような場所で食べていました。レストランもありましたが、注文した物を待ってからゆっくり食事をして・・・という間に呼び出しがあるかもしれなくて、1回試してやめてしまいました。

最近は、このような親御さん向けの夕食を提供するNPOの取り組みもあるようです。

大変な理由②ベッドが簡易ベッド

私は有名な大きい病院二つ、個室も大部屋も経験しましたが、どこも大人は簡易ベッド。大人の女性の肩幅ぴったりぐらいの幅で、子どものベッドの端で寝ます。これが連日は本当に辛かった。妊婦さんはどんなに大変だろうかと思います。

大変な理由③トイレにさえ自由に行きづらい

いつ呼び出しがあるのか分からない状況ですし、小さな子どもは起きている時、親が不在の状況は耐えられない場合も。検査でいなくなった時や子どもが寝た隙に、トイレや買い出しをしていました。

また、お風呂さえ満足に入れない病院もありました。私は、夫が来た時に、近所の銭湯に行ったりしていました。

大変な理由④行動を制限された子どもの対応

本来なら自由に遊びたい子どもが、自分のベッドや自分のフロアなど限られたスペースにずっといなくてはならない状況。長男は体にセンサーが常に付いている状況で、思うように体が動かせないし・・・ストレスが溜まっています。
その子の相手を、ずっとしていなくてはなりません。
部屋の場合は、大きな声で他のお子さんを起こしてしまったり、機嫌の悪さを伝染させてしまうのではないかとハラハラします。

ちなみに川崎病は、別名「不機嫌病」とも言われるそうで、終始長男は不機嫌・・・。イヤイヤ期のように泣いたり癇癪を起こしたりといった状況に参ってしまいました。

大変な理由⑤子どもの病気や怪我への自責の念

子どもが病気や怪我をしてしまった時、親である自分の落ち度だったのかもしれないと、心が痛みます。
長男の川崎病は原因不明でしたが、それでも、何が原因だったのだろうか、これは後遺症はあるのだろうかなど調べれば調べるほど追い込まれました。

大変な理由⑥仕事・家事が出来ない

当たり前ですが、付き添っている間はそれまでやっていた事が出来ません。私の同僚も入院付き添いで病室からテレワークで対応していた事がありました。でもチームメンバーは入院付き添いの負荷を理解しておらず、普段通りの仕事量を期待しているようでした。

大変な理由⑦闘病中の小さな子どもたちが多くて心が痛む

小児病棟には当たり前ですが、頑張っているお子さんが沢山います。私たちの隣のベッドのお子さんはどんな病気か分かりませんでしたが、朝から晩までオムツの重さを都度計量し、真夜中に看護師さんと悩んでいる言葉が聞こえてきたりします。「いつ退院出来るか分からない」といった話もして、本当に心が痛みました。

同じ境遇だった友人からのメール

私たちが入院中に、たまたま元同僚にばったり会いました。彼女のお子さんも、出産直後に入院した経験があり、その経過観察だったとのこと。
近況報告して別れた後・・・彼女からメッセージが届きました。
病院の近所のお惣菜屋さんの地図情報とあわせて、こんなメッセージが届きました。

お子さんのこと心配だと思うけど、
聞いてみたら意外とみんな私たちの子供の頃より頻繁に入院とか手術とかしてるし、あまり深く心配し過ぎないでね。
こどもの入院ってやっぱ最初はもやもや考えて少し落ち込んじゃうよね。
私も病気が分かったときは結構ショックで。うちの子の病気は5000人に一人とかで何でうちの子が?とか最初思ってたけど、入院したら「うちは一万人に一人~」「うちも一万やわ」みたいな人が周りにいたの。
特に二人以上こどものいるお母さんは強いわ。

娘よりもずっと大変な病気の子のお母さんがボランティアで働いてたので、少し喋ったら、なんか大変だったけど患者会とかで全国に友達できたわ~みたいに話してたりして。
大変なことはあってもまぁ楽しく生きれるんだなぁって思ったよ。

子どものことが心配な中、自分がしんどいと言えない状況。そんなことを気遣って、コンビニご飯以外の場所を教えてくれたり、子どもの病気への心配を労わる言葉を送ってくれたのです。

本当に救われました。

夫とは、私たちが元気じゃなきゃだめだよね、と合言葉のように話していました。
この時、夫婦で大変さを分かち合うことがどれだけ重要か思い知りました。
元気を出すため、出来るだけ美味しい食事をと、交代の時には、夫に美味しいデパ地下のお弁当を買って行く・・・など、自分たちを奮い立たせるために頑張っていました。

私はたまたまこんなメッセージを送ってくれる友人に出会い、夫とも苦労を分かちあうことができました。

でも、一人で葛藤を抱えている親御さんもいると思います。そんな人が少しでも気持ちが軽くなる助けになればと思って書きました。

おしまい☆


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