D I A R Y ｜【21】

10月27日

この日記は、
11年前の10月23日で止まっております。

当時の24日朝、ニュースで彼女の名前が聞こえてきた時はただただ呆然とするばかりで、衝撃を受けたとか、信じられないとかそんな言葉では表せませんでした。

彼女は、私が知る限りどこにでもいる普通の子です。

確かに悩みをこじらせて考えすぎるタイプだったけど、それでもいつも笑っていて、彼の話をしている時はとても幸せそうでした。

そんな彼女があんな事件を起こすなんて、本当に、
夢にも思わなかったんです。

職場でもこの事件は話題になりましたが、友人であることを隠し今日まで過ごしてしまいました。
彼女のこのネット上に公開されていた日記も、事件当時一部分だけしか報道されず「流れ星への願い事で自分のことを忘れてしまったと思い込んだ痛い子」というイメージだけが強く広がっていました。

誰にだってボタンの掛け違いはあるのに。

最後に会った日、もっと真剣に話を聞いてあげられたらと、ちょっとした変化にもっと敏感になっていればと、今思い返しても悔やまれます。

気づいてあげられなくて、話にちゃんと耳を傾けてあげなくて本当にごめん。

彼女のしてしまった事は決して許されることではないです。
しかし、彼女と過ごした時間やあの笑顔まで無かったことにしてはいけないと、今夜空を眺めながら強く感じました。

もしこれを読んでくださった方々がいるなら、目に映る大切な人との時間を大切にしてください。ネット上にだって一部しかない。
言葉にしていない何かが隠れているかもしれません。

それを感じながら一日の重みを噛み締めていきます。

友人 ちか

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おわり

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