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藤原道夫監修「映像メディアのプロになる!」より抜粋

バイトを始めまして……テレビ番組にスタッフとして関わっております。

テレビ産業の人と仕事

テレビ番組は、さまざまな役割を持つ多くのスタッフの共同作業によって作られる。それを1つの作品として仕上げるためには、スタッフ・関係者全員が、目的とゴールのイメージを共有することが必須。

関わる人々はテレビ局側と制作会社側に分けられる。
大変現実的な言い方をすれば、テレビ局は、下請けの制作会社に発注して、制作費をどんどん使って良い番組を作りたいと思っている。制作会社は、良質な番組を作りたいのはもちろん、できるだけ制作費を削って利益を上げようとする。

プロデューサーやディレクターといった管理・監督の立場にある人は、テレビ局側と制作会社側両方にいる。
プロデューサー(以下P)は、番組全体を統括する最高責任者。ディレクター(以下D)は映像制作業務におけるいわば指揮者。どっち側なのかで仕事内容は違う。また、PとDではどちらの立場が上なのかについて、必ずしも明瞭な線引きはできない。

・テレビ局のP
作品制作に関わるすべての管理を行い、その責任を負う。管理とは、①品質、②予算、③人事、④スケジュール、⑤宣伝活動で、作品のすべてに及ぶ。
・制作会社のP
クライアントである局のPに対し、制作会社側の代表として交渉や折衝を行う。番組の質を高め、かつ利益を上げるために辣腕をふるっている。
・デスク/アシスタント・プロデューサー(AP)
Pの秘書業務みたいなことをする人。ADと違って、必ずしもPにステップアップしたいわけじゃない。
・D
番組制作の全ての工程に関わる。
テレビ局側の場合、委託先の制作会社との折衝やその管理業務をしている。
制作会社側の場合、実際の撮影現場の最前線で辣腕を振るう役割を担う。Dとしての技量はセンスによって番組の出来/価値が左右される。時には作家性も重要となる。
・アシスタント・ディレクター(AD)
制作進行の補助業務(雑用)を担う。Dとして独り立ちするために、現場の技術を盗むために、非常に重要な欠かせない期間。テレビ局員の場合、期間がめちゃ短い。
※欧米では、ディレクターという言葉は監督全般を指すため、テレビのディレクターは「program director:PD」とされる。

Dはセクションによって細分化できる。
スタジオの進行を専門的に取り仕切るフロア・ディレクター(FD)や複数のディレクターを統括するチーフ・ディレクター(CD)などがある。テレビ局のDがCDとして、制作会社側の複数のDを管理・統括したりする。
映画の○○監督に相当するたくさんの監督がいる。

見比べてみると……
・エグゼクティブP↔テレビ局のP
・ラインP↔制作会社のP
・製作部、脚本部、演出部↔制作会社のD
・俳優部↔出演者
・カメラマン↔カメラマン
・撮影助手↔カメラアシスタント(CA)
・照明部、録音部↔照明さん、音声さん
・編集部↔編集マン
・音響効果部↔音響効果マン
・美術部、装飾部↔美術さん
って感じかと思います。

Dの仕事を順番にまとめると、テレビ番組制作の流れが見える。
見づらくてすみませんが、こんな感じ↓

映画の制作工程と見比べてみると……

参考:三谷一夫「俳優の教科書」

ずいぶん似てるんだな、ということが見て取れる。
それには歴史が関係しているらしい。

1950年代にテレビが誕生した当初、テレビ番組の制作は、主として映画製作/映画関係の人たちの手によって行われてきました。その当時「映像のプロ」と言えば、映画関係者しかいなかったからです。
~中略~
人材不足と組織・産業構造の急速な拡大は様々な課題をテレビ局に突きつける結果となりました。そこで生み出された構造こそ、「テレビ局の放送管理」と「制作会社による映像制作業務」の分離ということができます。

73頁

その他、ジャンルは違えど共通点は色々あるので……ベタベタ付箋貼ったりできないのが残念。借りてきただけだから💦💦

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