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【ネタバレ有】映画「かがみの孤城」感想

わかりみが深いというか何というか。
既に原作は読んであって、映画でもう一回ぶっ刺さった。
あ、金曜ロードショーです。

「サクラ咲く」もだいぶ前に読んだんですが、辻村深月さんって、中学生くらいの子の解像度めちゃ高い……!
辻村さん自身がそれくらいの年齢の時に苦労されたのかな、なんて邪推しております。もし仮にそうだとしたら、ほんとにお城に行ってたってことはさすがにないと思われるが、こころちゃんたちみたいに寄り添ってくれる素敵な人がいたか、もしくは、あの時こうしてくれたらよかったのに、みたいなものを書いてるか。まァ、全部想像ですけど。

そして、エッセンスを拾い集めて映像にする時にどこをどう映すか、難しいんだろうなぁ。さらにそこから汲み取って絵を描いたり声を吹き込んだり、うはぁ、果てしない。関係者全員がきっちり理解してないと、わけわからないことになるよな。


さぁて、時間が違うということは、こりゃ大変だ。原作読んだときは、とある単語のおかげで2005年の設定って分かったけど、その時はまさかズレてるとは思わなかったヨ。
最大で42歳差ということなので、42年分の時代背景を調べるか創るかしなきゃいけない。我々はそれらを見落とさないようにしなくちゃ。雑に観るのはもったいない。
有難いことに、まとめてくださってる方を発見しました!
助かります~~! ありがとうございます~~!
こういう時こそXが役に立つのよ!

まず喜多嶋先生がアキだって知った瞬間のヤバさ。
こころちゃんがお城で真田さんのことを打ち明けた時の神対応と喜多嶋先生がつながった。中3にしてあの包容力。相当苦しみをよくわかってる子なんだろうと思ったら、やっぱりそうだった。どうやら家にも学校にも居場所がないらしい。彼氏の浮気も見てしまってた。つら……
対する他の6人の対応も神やん。優しすぎんか⁉ みんなよくわかってるんだなァァ……
たまたまその場に居なくて連帯責任にならなかったこころちゃん、結果的には彼女のおかげでみんなが助かったんだが、もしも別の子がこころちゃんの立場だったとしても助けてると思う。そこの人選はやはり、主人公がこころちゃんだからなんだろう。

こころちゃんはかなり大人しいけど「アキ!」って。助ける!って。
やるじゃん。学校ではなくお城に行くようになって、だんだん強くなっていったのだと見た。

リオンの願いは姉を返してもらうこと。
姉=オオカミさま
あの「善処する」はヤバすぎるだろ。
それで、ほんとにお姉ちゃんは善処してくれたんだね、こころちゃんを見つけて声かけてたね、記憶失ってないィィ……


インパクト強かったエピソードはこれくらいだけど、その他諸々イイ話てんこ盛りでしたなぁ……
こういうエピソード等ありとあらゆるものをひっかき集めて考察すると、前に書いた「大病院占拠」みたいな感じに広がっていき、そして何が言いたい作品なのか自分なりに噛み砕いて消化する。書くときはそれをちまちま言語化していくが、今回はもはや必要なし。
監督のコメントが出てました。

意外と何とでもなるんですよね。なるようになれ~でおけ。
その時その時でがんばったこころちゃん、復活!

「映画って、人の命は救えないかもしれないけど、気持ちを変えることぐらいはできる。僕はそれを信じているし、これからもそういう作品を作っていきたいと思っています」

これは、なんてこったパンナコッタですわ。
ズバリ言い当てられている。
医療ドラマにズブズブに沼った結果、マジで医者になろうとしていた者がここに1人。

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