大好き盆踊り

急にハタと気が付いた。
今年は盆踊りに行かれない。というか開催されない。
いつもだったらこの時期すでに開催されていたはずだ。
梅雨も長いし、自粛生活は続くし、蒸し暑いには暑いのに、肝心の夏の到来ということについてはなんだかすっかり鈍っていた。

そもそも暑いのが苦手な私は、夏は相当な覚悟を必要としあまり歓迎する季節ではない。
そんな中でも唯一のお楽しみが花火と盆踊りだった。
花火は少し前に話題に上がって、そうだよね、残念だなぁと思っていたが、盆踊りについてはすっかり死角になっていた。

テレビをほとんど見なくて、世の情報に疎い私は、いつでも色んな事で取り残されている。どうもそれではいけないということはわかってはいるけれど、あまり世の中のことに興味が持てない。昔からそうだ。
仕方ないとは思いつつも、でも大人として、最低限の話題にもついていかれないのは恥ずかしいとはよく思う。

花火が楽しみといっても、人込みに入ることや帰り道の混雑などを思うとそうは出かけないのだが、神宮花火だけは毎年恒例で夫と一緒に行っている。
ちょうどウチからのアクセスがよく、帰りも終わり次第、雑踏から抜け出てバスに乗り込むという素晴らしいルートを発見して以来、とっても得した気分で満喫している。

盆踊りを楽しむようになったのはここ4,5年だろうか。
恵比寿の駅前でやっているのは知っていたのだが、なかなか行く機会はなかったものの、たまたま飲んだ帰り道にちょうど盛り上がっている所に通りかかり、参加してみると、これがたまらなく楽しい。
そして相当の人たちが楽しんでいるのだ。

盆踊りなんて子供の頃に行って以来だったが、当時も参加するととっても楽しくいつまでも踊っていたい気持ちだったことを思い出した。
確かに好きだったけど、大人になるとなんか参加しずらい感があった。
でも、今もみんな老若男女問わずとっても楽しんで盛り上がっている様子を見て感動してしまった。
その中に加わってみると一緒に高揚する。

最初は踊りがわからなくて見様見真似で周りをキョロキョロしながら、わけわからずついていこうとするのだが、盆踊りは短い1タームの振りを繰り返し繰り返しやるので、何回かやっていくと自然と振りは覚えられる。
このシステムがなんて秀逸なんだ、この日本の文化はなんて素晴らしいのだとまで思ってしまっている。

という訳でここ数年、あまりにも私は楽しくて、夫を連れ出して出かけるようになった。恵比寿、六本木ヒルズ、築地本願寺のこの3か所の盆踊りが私たちの夏の定番となった。

中でも築地本願寺の盆踊りは日本一美味しい盆踊りと銘打たれていて、出ている屋台がまた魅力的だし、また踊っている人達も歌舞伎座の近くとかそういうのが関係するのか、なんか玄人っぽい素敵な踊りをする方たちが結構いる。たかが盆踊りされど盆踊りと感じてしまうほど、上手な方の踊りはリズム感があるし、品が違う。もう見とれてしまう。
私の一押しの盆踊りだ。

と盆踊りについて語ると気分は盛り上がってしまう。
私の周りにはこんな話をする人はいないので、盆踊り愛をこんなに持っている私は変わっているのだろうか?と少し思うけれど、会場にはいつもいっぱい人がいるから、やっぱり日本人は好きなのだよね、身体に沁み込んでいる文化なのだよね、と思っている。

いやいや、でもだから、今年はないのだ。。。
こんな状況なので仕方がない。

この春からの自粛生活で巣ごもりだろうが、なんだろうが私にとって本当に苦痛になるものはありがたいことにほとんどなく、この状況を受け容れてやってきた。

でも盆踊りがないのは結構ショックだ。
こんなのがショックと言っているくらいだから、本当に恵まれているのだと思うし、自分自身ここでそうきたか!と可笑しい。

踊りの何が私を魅せるのかわからない。
でもとにかく楽しい。しかも盆踊りは出来るとか出来ないとか上手い上手くないとか関係なく本当に純粋にのびのび楽しめるからさらに良いのである。

今年は諦めることはいっぱいある。
でもそれはそれで別の何かを見つけているはずだ。
新しい何かを。

今はそれを楽しみつつ、来年の盆踊りを心待ちにしよう。


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