地方創生臨時交付金で打上げ花火やタブレット交付…国民の納得感は
財務省は31日、2022年度の国の一般会計の決算概要を発表した。予算計上したものの結果的に使う必要のなくなった不用額は11兆3084億円と過去最大だった。規模ありきの予算編成で過大になっていた恐れがある。
予算が確保された以上は使おうとする動きが出る。地方創生臨時交付金は新型コロナに関連すれば市町村の判断で自由に使えるが、コロナとの関連が低い疑いのある事業も紛れていた。
例えば、打ち上げ花火の費用や花火大会の開催費用などの補助を計画した自治体があった。
京都府宮津市では、地元の観光協会が打ち上げた花火への補助金として計1千万円を支出。交付金を使った花火は、他の自治体の事例が国会で取り上げられ、「使い方は厳しく見るべきだ」などと指摘されている。
計1470万円かけて市役所のトイレ21カ所を洋式に改修したのは亀岡市。ふたのある洋式は和式と比べて飛沫拡散防止に一定の効果があるとして行った。来庁者が主に使う場所といい、市は「コロナ禍前に改修計画はなかった。便乗ではない」と説明。京田辺市は570万円で小学校の教職員用トイレを洋式化した。
大山崎町は密を避ける議員活動のためタブレット端末を購入した。町議12人全員分の購入に121万円を充てたが、想定していた機種が値上げされ、Wi―Fi環境がなければ使用できない機種に変更した。ただ役場内の議場があるフロアにWi―Fiはなく、「現在は通信環境を整備中で、いつから使い始められるかは分からない」(議会事務局)。
地方創生臨時交付金の使用用途は自由度が高い。
たしかに、自治体ごとに必要な支援策は異なるためあまり交付金の用途を限ってしまうことは得策ではない。だが、地方創生臨時交付金は税金で賄われていることを忘れてはならない。
各自治体は住民・国民に理解を得られる用途なのかきちんと話し合ってほしい。
財務省は22年度の特別会計の決算も発表した。保有資産の運用収益があった外国為替資金特会の剰余金は2.8兆円とした見込みを上回り3.5兆円となった。
剰余金のうち1.9兆円を防衛費に回すことは既に決まっていて、0.9兆円は一般財源に回す。上振れした0.6兆円強の扱いは年末までに検討する。
税金は国民が汗水流して働いて稼いだ貴重な資源であることを国・自治体は忘れてはならない。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?