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誰かから教わった「15分だけでいいから今すぐやる」みたいな話

最近、色々な人から聞かれたり相談されるときに、よく引き合いに出すネタがあります。

中学時代の10分×5科目学習

中学1~2年時の担任の先生といまだに交流があって、たまにクラスメイトとともに先生を囲んで飲むことがあるのですが、彼が酔っぱらうと毎回のように僕に話してくれることがあります。

「眞山と言えば真っ先に思い出すのが『1日に1科目10分ずつしか勉強しない』ってやつなんだよな…長年教壇に立っていたけど、そんなことやっているヤツはお前だけだった」

確かに中1、中2の頃の勉強の仕方は、宿題があればそれをやって、さらに1日10分×5科目=50分というサイクルでやっていて、テスト前はもう少し増やす…みたいな感じでした。

当時は、何の気なしにやっていたことですが、今から後付けでメリットを考えるとすると、この勉強法には、筋トレに伴うEPOCと同じ効果があります。

EPOCとは日本語で書くと「運動後酸素消費量過剰」というものでして、ざっくり説明すると、筋トレをした後、およそ24時間にわたってカロリーの燃焼効率が高まっている状態のことです。

要は、筋トレしている時間が終わっても、体は燃焼を止めません。これと同じで、ほんの10分間でも集中して勉強しておくと、次の日くらいまで「覚えていること」「わからないこと」が頭の中でグルグルグルグルしているので、翌日の授業のインプット効果が高くなる。

勉強しないと、勉強時間はゼロ。でも10分だけ勉強しておくとEPOC分込みで見れば数時間はインプットを継続しているので、学習効果は高い。

…ということでしょう。

注)大学受験や資格試験は、そもそも問題集を解くのにそれなりの時間を要することも多いので、さすがにもっと時間がかかりました。念のため。

ある人が言っていた「15分だけでいいから今すぐやる」

それから20年くらいたって、あるセミナーで著名なコンサルタントの人が「15分でいいからすぐやる」みたいな行動習慣を共有してくれたことがありました。

例えば大きなプロジェクトのための提案書の作成でも良いし、例えばメールに対する返信でも良い。15分でいいから、いちどその骨子だけでも考えておくと、驚くほど効率が良くなる。もちろんメール返信はすぐ終わるから、すぐ返したって良い。

…逆にそれをやっておかないと、妙に優先順位の低いタスクがいつまでも後回しになるなど、ストレス要因が増えることが多い。

なるほど、確かにそれはそうだ。っていうか、自分が子ども時代にやっていたことって、それじゃんか。

そう思った僕は、それ以来の行動習慣に「15分でいいから~」というのを出来るだけ意識するようにしています。


結果として得られる効果をズバリ言うと、
(表面的でしかないが)超人的なスピードで仕事ができるようになる
こと、だと思います。

自分自身の例をいくつか挙げると、ざっとこんな感じ。

1.100ページのパワポを3時間で作れる

セミナーの依頼を受けると、その場で15分ほど骨子を考えます。

その後のテキストの作り込みは大抵締め切り前夜ですが、骨子は出来ているし、なんとなく頭の中でイメージができているので、後は作るだけ。…こういう状態なので、100ページのPowerPoint資料を3時間程度で作れてしまうこともあります。ギリギリにならないとアイデアは降ってこないことも多いですが、降ってこないとしてもごり押しできるという自信は一応あります。

2.前日に突然代打を頼まれたセミナーでも、次の日までに丸2日分の研修コンテンツを用意できる。

飲み会とかでふと「〇〇みたいなビジネスって儲かりそうじゃね?」みたいなアイデアが出ると、帰り道などのほんのわずかな時間で妄想を膨らませます。

そのほとんどは既に先発品が存在していたり、よくよく考えると儲からない構造だったりはしますが、それがその後のビジネス雑談の種になったり、連載記事のストーリーのヒントになったり、セミナーのケーススタディもどきのモデルになったり・・・何かしらで使えるものになっているものです。

以前、
「講師の先生が入院しちゃって…眞山先生代わりにビジネスの企画力セミナーやってくれませんか?」
「いいですけど…持ち時間どれくらいですか?」
「2日間です」
みたいな事件がありましたが、普通に乗り切れました。

中には本当にビジネスが走り出しちゃうということもあります。

3.半日あればUoPeopleの課題エッセイをまとめて提出できる

毎週木曜日の昼間に発表された課題は、すぐに目を通します。

で、その場で答え(仮説ベース)を想像しておきます(想像つかない場合はGoogle先生をヒントにすることもあります)。これをやっておくと、英語の論文を一語一句読んでから答えを考えるより、ずっと効率が良いのです。

…そのぶん、英語力はさほど伸びないかもしれないけどね。

超速の仕事なんてそんなもんだ、と若い人には気づいてほしい

これら3つの例を前置きなく披歴すると「俺仕事早いぜアピール」にしかなりません。が、もう40目前の僕がそれを自慢してもしゃーないわけですよ。

そうじゃなくて、ここで言いたいのは、
一見超速の仕事をしているように見える人というのは、とどのつまり人の見えないところ(多くの場合は脳内)で、みっちりみっちりと段取りを済ませているのだ、
ということであり、それをさらに推し進めると、
超速の仕事は誰でもある程度までは再現可能なのだということです。

コロナの影響は、テレワークの普及と同時に残業代の減少を生み、収入確保のためにパラレルキャリアを選ぶ人の増加という帰結につながると僕は読んでいます。

一定時間を拘束されてカネをもらう時代は、仕事の速さは下手をすれば残業代を減らす要素でしかなかったわけですが、ルールが書き換わり、労働時間ではなくて成果=アウトプットに値段がつく時代に変わると、仕事の速さは自分の余剰時間を生む源泉になり、それが同時に履くことのできる草鞋の数を増やしたり、自己投資の時間を確保することができたり…といった効果につながってくるわけです。

というわけで、15分でいいからすぐやる習慣は、使える時間を大幅に増やすライフハックなのです。よかったら真似してね。

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