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新しくシンプルに真心をもって、企画。

自分の所属しているプロジェクトが毎年実施している、サマーインターンシップ。今年も実施と相成りまして、これまた今年もトップバッターの講師として、意欲にあふれる大学生たちに、おこがましくも「企画」について、概論をお話させていただきました。みんなマジメで、でもマジメなだけじゃなくてちゃんとやんちゃで、こののちどの道に進んだとしても楽しみでございます。時間が無くなってしまって、あまりフィードバックをちゃんとして差し上げられなかったので、課題とか発表とかを聞いていて、「企画」をもし生業にするのであればこの辺、考えられるとよりよいかなあと思うことをいくつか、徒然書きしてみます。

「企画」は、新しくないといけない。

企画って、今世の中に存在している仕組みや訴えかけを、よりよい形に更新するべく考え出されるべきで、もうすでにあることとか、誰かが考えたことのあることは、やっぱりお金の取れる企画じゃないと思うんです。「だれかが考えたことあったとしてもやってこなかったとしたら、企画としては意味があるはず」というのも、半分正しいんですが、もしそうだとしたら考えて克服すべきは「その人は考え付いたのに、実現できなかったのはなぜなんだろう?」ってことであって、そこにはやっぱり実現するための新しい企画とか、周りを説得しきれなかったとしたら説得の企画とか、何かしら「新しい要素」が必要なんですよね。だから逆に言えば、すべてがぴっかぴかに新しい構成要素でカタチづくられる必要はない。ただ、最も価値が更新されるである部分が、クリティカルに新しい必要はあるんだと、やっぱり思うんです。だれにとって、どうプラスに新しいのか。「自分的に新しい」だけなんて無価値で、その企画をともに背負う人、その企画にとって今よりよい未来を享受する人にとって、なにがどう新しくあるべきなのか、考えつくさないといけない。

新しいことは、伝えづらい

でもここに大きなジレンマがひとつあって。「新しいもの」はたとえ話が使いづらいんです。「あれみたいな」と例示できている時点で、新しいのかどうか怪しいもんで。別業界別ジャンルの例示だったらできる、って場合ももちろんあるのですが、「わかりやすい。説明しやすい。」そんな企画は同時に、「だれかが思いつきそうなもんだよね」というリスクもあがるわけで。だから、「新しいことこそ価値がある」はずなんだけど、「その価値は説明が、新しいほど伝わらない」っていう大変さがある。だからこそ、言葉、絵、動画、メタファー、構造図などなど、いろんな手段で、どうにかして、自分の考えていることの「新しい価値」を、それをまったく知らない人に伝わるようにしないといけなくて、何しろこれがものすごく大変なわけです。ホントに伝わらない。僕は企画をする人間が世の中を常にセンサリングしたり、本を読んだり、人と話したり、いろいろな体験をするのは、すべては「新しい価値に輪郭を引くときの、引き方」をなるべく理解しようとしているということだと思ってて。だから、世の中をよくよく普段から観るようにしたほうが、いろいろトクするとは思います。

シンプルと、つまんないは、断じて違う。

で、伝わるにはどうすればいいか。何しろ、「シンプル」に伝えるっていうことです。自分が「これ以上シンプルにできない」って思ってから、もう2段階くらいシンプルにしたい。自分は分かっているけど、相手は初めて聞くわけだから、自分の思うシンプルよりシンプルにしないといけないのは当たり前。で、シンプルにしようとするとここにもジレンマがあって、「ふつう」で見たことあるものになり可能性が高まるってことなんですよね。でもそれはおそらく、シンプルにしていく過程で削るところを、間違ってるんですよね。自分の生み出した企画の「何が新しい価値の源泉なのか」が、分かってないか、その伝え方だとそれが新しいと伝わらないよっていう削り方になっちゃってる。その企画って要するに、

なにをどう新しくするのか
それによって誰がどんな価値を得るのか
そのためには、誰が何をしないといけないのか

ここだけ、シンプルに、伝えたい。特に3つ目が、学生さんがビジコンとかでプレゼンするときに、すっ飛びがちで、提案されている側からすれば「え、それ俺らにいくら払えって言ってるプランのつもり??」みたいな、そういう、実現するための実感とかリアリティがすっ飛んでるプランになりがちです。企画って、絶対に誰かが必ずカタチにしないと完全に意味がないわけで、自分が考えた企画を実現するために、なにが必要でだれの協力が不可欠で、それがクライアントに対してのプレゼンだったらクライアントに「何をしてください」と暗に言ってることになっているのか。そこはせめて、考えてはいるってことにはしたいですよね。そのスタンスが全く感じられないプレゼンは、「この人、誰がこれをやるつもりで話してんだろ??」「俺らにいくら使えって言ってることになってるつもりなんだろ?」って、思われるのは、もったいないんですよ。企画が、いろんな人のチームワークと助け合いの上で成り立っているってことが分かっていない、企画は「企画書の中で完成する」って思っている人にはなっちゃあならない。別にCM打つのにどれくらいお金がいるかとか、そんなことは知らなくても調べればわかるけど、企画自体を生業にする人は、勘違いしちゃいけんと自戒を込めて思います。シンプルに、シンプルに、対話を大事に、企画をつくっていきたいっすね。

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なんて偉そうに書いたけどほぼ、自戒ですね、ははは笑 
なにせ、答えなんかないんです。「どのくらい本読んでますか?」「いい企画が出るまで何時間くらい考えるんですか?」「何案くらいいつも企画出すんですか?」とか、そんな質問も多くいただいたんですが、それを、自分で考えないといけないし、仮に僕がそこに答えを出したところでそれが何かの役に建つなんてことは、せいぜい、世の中の平均値が分かっちゃうくらいで。本当に強い人は「自分が実現したい価値に対して、自分がどのくらい頑張れば実現できそうか、自分の経験と見立てで予測して、他人のそれと比較することなく、やり切れる人」なんだとやっぱり思うわけで。とどのつまり、一番大事なのは

自分の頭で考えて、自分で決断すること

なんだろうなあ。


週末から個人個人の最終課題に入ると思うので、その企画を見てみたいっすね。がんばってくださいませ!僕も頑張ります。

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