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時間が体感される瞬間

久々のブルーノート東京は、オレンジペコーの20周年アニバーサリーのアコースティックセットライブでした。

ちっさいときから何となくひねくれていて、中二よりも先に中二病を発症し、人と一緒な自分では嫌だというアイデンティティゾンビみたいな自意識を持っていた中学生だった自分が買った、人生初めての自腹のCD購入が「Babyface」「Greatest Jazz Hits」「3VIEWS」でして。もはや何それレベルのひねくれ方をしていた自分がMステなど見るはずもなく、平成音楽史が最も華々しかった時代にJ-POPをすべてスルーしていた自分にとって、「なんだこれはあああおしゃれなのに日本語だ!」と、多少なりともひねくれから救い出してくれたのがオレンジペコーだったわけです。

途中のMCで、「今日の曲はほとんど、私たちが大学生の時に書いた曲で~」と言っていて、ああ20年!って思って。音楽って、当たり前だけどその時の声とか弾き方とか作曲したときの気持ちとかがレコーディングされて形状記憶されて時空を超えていくわけで、あんまり「いつのものなのか」っていうのが、ほかのプロダクトよりも薄いほうだと思うんです。特に「流行りの曲」に完全に興味のなかった自分は、「あの時の世の中と、この曲と」みたいな紐づけで音楽を聴いたり記憶したりしないので。だからなんとなくこのMCは、考えさせられたというか、あんまり稼働してなかった感情の箇所を突かれたわけです。

時間は経つなんてみんな自明のことと思っているけど、その時間っていうのを、実際に「体感する体験」は、その形やタイミングや頻度に人によってものすごく差があるし、その体感がポジティブなものもあればネガティブなものもあるわけで。ただ昨日のオレンジペコーのお二人は大学時代に書いた曲をこうやって10数年後にライブで弾いている事実を、恥ずかしさもありつつも、ポジティブに受け取っていたように見受けられました。

まさかオレペコで年を取るということについて考えさせられるとは。それ自体をもって、年を取ったってことですね笑


orange pekoe
Sings songs from Organic Plastic Music


DATE & SHOWTIMES
2019 8.28 wed.
[2nd]Open8:20pm Start9:00pm

MEMBER
【orange pekoe】
ナガシマトモコ(ヴォーカル)
藤本一馬(ギター)
【Band Members】
林正樹(ピアノ)
西嶋徹(ベース)
斉藤良(ドラムス)

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