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コインランドリーの詩[詩]


その空間にひとりぼっちだ。
外はザアザアぶりだ。
これは何かの罰だなあなんて思ってしまう。

ザザンパシャッ
ザザンパシャッ と、波打つ水槽に
少しだけ余裕がある、一人分の生活が回る。

ぐるんと回る。
たまにちょっとだけ引っかかる。

”ああ、大人になったなあ” と
”みんな、しっかりやっているのになあ”
右へ左へ ふたつの呟き、顔を出す。

特に後者は
古びたタオル、
洗面器の湯に
つけたように
ジュクリジュクリ と心に染みていく。

さっぱりと洗いあがる
私の歯車、ひとつひとつ。

工場長になって
頬に当ててじっくり検品。
どれも ちゃんとカラリと整うのに、

私だけ”生乾き”で。
私だけ”生意気”で。

「コインランドリーの詩(詩)」

*atogaki*

梅雨の日ひとりでのコインランドリーは寂しくて不安になる。

けれど、どこか落ち着くんですよね。
あの箱(コインランドリー)に入っていると
工場長になったような気がして、少し楽しい。

でもコインを入れる度、
お金を使ってしまったなあ・・とか、
コツコツ洗濯ものを溜めずにしっかり
生活を回している友人とついつい比べてしまい、
ダメだなあ、と自問自答してしまう。

そんな梅雨の日を思い出して書いてみました。

あさき まほろ

※ トップのコインランドリーのお写真は、
  みんなのフォトアルバムからお借りしました。
  ユイ 様のお写真です。
  レトロなコインランドリー、色味が渋く素敵で
  心をグッとつかまれてしまいました。
  私もこんなお写真を撮ってみたいです。


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