大地・海+人+アート=∞       

旅の一歩目のおすすめ、芸術祭


旅の動機は様々だろう。
 仲間と思い切り遊びたい。 
 美味しいものを食べたい。
 新しい人との出会い。
 予定調和の日常生活に刺激をいれたい。

そんな思い、全てに応えてくれる旅先がある。
それは芸術祭だ。
芸術祭は、現代アートの祭典で、現役で活躍している世界中のアーティストの最新作品を見ることができる。しかもそれが、日本国内で、数多くの作品に出会うことが可能なのだ。
さらに、芸術を楽しむだけでなく、開催地の魅力、例えば人、食、自然、伝統文化も存分に味わうことができるのが、芸術祭の醍醐味といえるのではないだろうか。
芸術祭は会期が長いものも多いので、忙しくて色々調べる時間が取れない、スケジュール調整も難しい、という人でも計画が立てやすい。HPも充実しているので、旅の準備に必要な情報も揃えやすい。つまり、各人に合わせた手作りの旅が、手軽に出来るということだ。
それでは、少しだけにはなるが、芸術祭を紹介しよう。

大地の芸術祭
 大地の芸術祭は、3年に1度、越後妻有地域で開催される世界最大級の国際芸術祭で、25年続く、国内で開催される地域芸術祭のパイオニア的な存在である。コンセプトは「人は自然に内包される」。越後妻有の6つの地域に200以上のアート作品を点在するように配置することで、アートを訪ねながら、美しい里山の風景と、そこの暮らしと人々に出会うよう仕掛けが施されている。

鉢&田島征三絵本と木の実の美術館
十日町地域にある廃校が生まれ変わった美術館
私もアートの一部。見るだけでなく自分も作品の一部になるのも、芸術祭のアートの楽しみ
十日町地域にある越後松代棚田群 星峠の棚田 大小様々な水田200枚が斜面に広がる。
十日町の自然の美しさだけでなく、先人の途方もない営みと、それを引き継ぎ維持し続けているこの土地の人の営みを心が感じとる。
地元の旬の食材をふんだんに使った、地元のお母さんの料理
毎年変わらず稲作が営まれている水田もアートの一部。
重機の入りにくい山間部の水田は手入れが行き届いており、雑草は全くない。とてつもなくすごいことというよりは、勤勉な農耕の営みが、美しさを生んでいる

幸運なことに、2024年は大地の芸術祭の開催年にあたり、7/13〜11/10までの開催が予定されている。

瀬戸内国際芸術祭


 「海の復権」をテーマに2010年に始まった瀬戸内国際芸術祭は、3年に一度、これまでに5回開催されている。2022年には12島と2つの港周辺で105日間開催された。瀬戸内周辺地域は、美しい景観と、穏やかな気候、豊かな食文化を持ち、長い歴史の中で、重要な役割も果たしてきた地であるが、近代化の波の中で、島々の固有性が失われ、高齢化・過疎化が進んでいた。瀬戸内国際芸術祭は、島々に継承されてきた習俗、生活様式などをベースに、集った世界中のアーティスト・地元の人・更には世代、地域、ジャンルを超えた人々の協働で芸術を創造し、それを見るために多くの人が訪れることで地域の再生を図ろうとしている。実際、この芸術祭が始まってから、男島では人口が増加し、無人島になっていた島にはアーティストが移住して無人島ではなくなっているとのことだ。

ワルリ族の洞窟(粟島) とても美しく大規模な作品。時間が許す限りずっと見ていたくなる。
無限に広がる海と島と空に作られたフレームの中の躍動。今この瞬間だけのアート作品
手作りの石窯ピザを焼いてくれた粟島のお母さん。美味しいピザと素敵な笑顔をありがとう。

次回の瀬戸内国際芸術祭は、2025年に開催予定となっている。
きっと今頃、アーティストやスタッフに負けない熱量で、島の人々がワクワクしながら芸術祭を待っているに違いない。
私はどんなものに出会えるのか。あなたはどんな経験をするのか。
ワクワクを胸に、是非芸術祭に足を運んでみてほしい。


   


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