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今日、退職しました(関西人が5年間東京でサラリーマンして見えた世界)

どんな理不尽にも必死に耐え続けてたらいつか楽になれるかもしれないから、1年は頑張ろう、1年経ったら次は3年は頑張ろう、3年経ったら、次のボーナスまでは頑張ろう…と自分を鼓舞し続けてきたけど、頑張っても頑張っても理不尽やパワハラ、セクハラから逃れられることはなく、楽になることもなく、増えていった身体の不調。
それでも残業も飲み会も急な出張も、文句なく、プライベートを犠牲にして、自分の感情は殺して頑張り続けた。
気がついたら深夜に1人ラーメンを啜ってるような、
なりたくなかったサラリーマン像に近づいていたし、
色んな病院の診察券が数十枚に増えていた。

神戸のこぢんまりした環境で生まれ育った私にとって東京は、とてつもなく大きな街、大きすぎる街。
人が多い分、物理的な距離が近すぎる分、病んでる人も多い様に思えた。自分もその1人。
関西にいてあんなにすれ違うおじさん、おばさん、男女問わず舌打ちをされたことはなかった。
コロナ前の毎朝の満員電車は嫌だとかいうレベルではなく、"怖い"だった。乗車待ちのホームは乱れることなく4列が組まれ、ルールを知らない人は非難の目で睨まれる。車内は足が浮いてしまいそうなほど四方を囲まれ身動きが取れないし息もできないし、腕は引きちぎられそうになりカバンはペシャンコ。降車する時にはパンプスが飛ばされた。いつも穏やかな自分ですら、舌打ちが出そうになるほど。
人口密度が高すぎて街全体がせわしない。束の間のランチも、身体を最大限凹ませないと通れないくらいのテーブルの間隔にうずまって、肘がぶつかりそうになりながら食べる。

どこまでいっても巨大な街と人混みから逃れられない。

都内の家賃は高い。ワンルームに給料の半分を持っていかれ、何のために働いてるのかわからなくなった。関西で同じお金を払えば2LDKに住めるなぁとか思って虚しくなった。

自分の中の何かが腐っていき確実に心身を削られてるのを感じた。5年間で毎年体重は減ったし、だんだんと体力、気力が奪われた。それから転勤で地元に戻ることができたけど、削られた自分の元気は戻ってこなかった。
急いで転職先を探したし内定ももらったけど、
周りには一旦落ち着く様にアドバイスをもらった。
カウンセリングを受けて休職を薦められた。

それから1年間、毎日仕事とこれからのことを考えては悩んで振り出しに戻ってを繰り返した。
早く子供がほしいし、仕事も失いたくない。だけど激務を続けていたら妊娠の前に自分が破滅しそう。仕事を辞めたら奨学金を返済できないし、不妊治療費も、未来の子育てのお金も厳しくなる。どうしたって無理ゲーだ、上手くいかないってふさぎ込んだ。

しばらく休んだらコントロールできないことを悩んでいてもしょうがない、と考えられる様になった。
頭の中に浮かぶもやもやは他のことに没頭することでしか消せない、ということも分かり、とりあえず次は自分の感情を殺さず、良いところを活かして働ける様な仕事を探そうと思った。

そして今日退職の日を迎えて、自分でも驚く程スッキリしていてる。休職中は会社とやりとりが必要だったので、
本当の意味で気持ちは安まらなかった。
今は解放されて、次は何にでもなれそうな気持ち。
新しいことが始めるワクワクした気持ち。
久しぶりに強制ではなく自然とまた頑張ろうという気持ち。結果、休んだことは自分にとって良い選択だったと思う。それに、ボロボロになるまで働いた東京での経験も大事にしたいし否定したくない。

全部自分の糧にして、今日から一歩踏み出します!

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