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猫はちゃんと分かっている

我が家には来月10歳になるシャカという名のオス猫がいる。
生後2週間位の時に保護してから今までずっと一緒に暮らしてきて、
私の人生で一番深く関わった動物という存在はシャカだ。
保護した時は片目が目やにで閉じたまま、からだも細すぎる位で、猫エイズ陽性の要素を持っているとのことで、正直この子はあまり長く生きられないかもしれないと思ってしまったこともある。その後どんなご飯でも好き嫌いせずに、カリカリ1粒も残さず食べ、いつの間にか猫エイズも陰性に。運動は苦手だが、何度かの私達の引っ越しによる環境の変化にも対応してスクスク育ってくれた。

そんな彼が今年の夏体調を壊した。
昨年から湿度と気温の高い夏はしんどそうな様子で、年齢を重ねてよりキツそうに見えた。最初に異常に気付いたのは夜中のお腹を下す音。お食事中の方には大変申し訳ないが、寝ていても目が覚める位で驚いてしまった。
その後何度もお腹を下して、ご飯を出しても半分位残すように。
お世話になっている猫の病院で整腸剤と下痢止めの薬をもらって、最初はご飯に混ぜ込んだ薬に気付かずに食べてホッとしたのも束の間、
薬に気づき始めたのか、次第にご飯を食べなくなってしまった。
いろんな工夫をしてスプーンで口元まで運んであげても顔を背けて移動してしまい、食べない。こんな時に言葉が通じ合えたら。。。と心から思った。
その後お薬もフードに混ぜずに一瞬で口に入れ込む作戦に変更し、添加物の入っていないウェットフードをみつけて差し出すと、食べやすかったのか再びご飯を食べる引き金になってくれて、現在はだいぶ落ち着いている。

大切な家族として辛い時期ではあったけれど、同時に動物が言葉がなくても愛がこんなに伝わることを驚きと共に教えてくれた期間でもあった。
シャカは体調が悪い時、私がお世話をしていてもなるべく遠ざける様な態度だったので、とにかくそっと見守っていたのですが、少し体調が戻って来た日の夜、静かに私の枕元まで来て髪を毛繕いしてくれてそのまま頭にアゴを乗せて寄り添ってくれたのです。まだ本調子でないであろう体調なのにシャカがしてくれた想いと、彼の身体から伝わるあったかくて柔らかい振動に自然と涙が出て止まらなかった。

私はその時改めて「全部分かってるんだな」と感動で心が震えるような感覚になり
愛ってこういうものなんだ…と体感した。
きっと動物だけでなく、まだ言葉を知らない赤ちゃんも、障害や認知症などでコミュニケーションが難しい方にも伝わってる。植物やモノ、空間にも触れる人の意識はちゃんと伝わっているんだ。そう感じて周りを見てみると日頃から沢山の小さなものたちに支えられている気がして心強く感じた。

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