夜中のコンビニ

夜中のコンビニが大好きだ。
あの、圧倒的な店内の明るさ。レジには昼間の店員さんより覇気のない男の子がぼーっと立っており、昼間の店と同じ放送が元気に響いている。部屋着姿の人が店内をうろついている非日常感にワクワクする。

飲んだあとに立ち寄るコンビニ。お茶を買いに寄ったつもりがいつの間にかアイスやデザートも買い物かごに放り込んでいる。朝起きたらゴミ箱に食べた覚えのないチョコモナカジャンボのごみが入っている、ということがこれまでに何度もあった。

「買い出し」に向かうコンビニ。仲の良いメンバーで集まり、誰かの家で夜通し飲んで、お酒が足りなくなったからと買い出しに行く。一人じゃ買わない新商品やレジ横のスナックコーナーの揚げ物を盛り上がって買ってみたり（書いているだけでもワクワクしてきた）。前から気になっていた人と、買い出しをきっかけに二人になれたときのドキドキ。

彼氏と落ち合った後、家に行く前にコンビニで明日の朝食用のパンやコーヒーを買ったりするのも楽しかった。ホテルへ行く前にお酒や水を買ったりするのは、実際にホテルへ行くよりもワクワクした。

酔って電話して突撃する友達の家に、アイスのショーケースの前で差し入れを選ぶのも好きだった。玄関口で「こんばんは～」と言いながら「ハーゲンダッツ買ってきたよ！」と、アソートパックをドヤ顔で差し出すのだ。

＊＊＊＊

昨晩、メルカリで出品していた本が売れた。メルカリ便を使うとコンビニから24時間発送可能なので（しかも匿名）、先方も少しでも早くこの本が読めた方がいいだろうと、近所のコンビニへ出しに行くことにした。

大好きな夜中のコンビニだ。発送だけじゃつまらないので、ひとしきり店内をうろうろする。パンコーナーに並んでいた「ひとくち焼き芋切餅」を手にとり、生鮮コーナーのなすとピーマンがスーパーより安かったので、冷蔵庫の鶏もも肉と一緒に焼いて明日の夕飯はチキングリルにすることに決定。野菜と切餅が入ったかごをレジに出し「メルカリ発送お願いします」と言うと、若い男性の店員さんは愛想のない顔で伝票をサッと出し、手際よく処理してくれた。その表情と手先のテンションのギャップにちょっとびっくりしながら、いいなあ、と思った。

ニヤニヤしながら、自転車で風をきって帰る。
夜中のコンビニは小さな冒険。やっぱりワクワクする。