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【公演前の作品紹介】下鴨車窓『漂着(kitchen)』

来月本番を迎える、下鴨車窓『漂着(kitchen)』。

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下鴨車窓さんの作品は、小説みたいな見心地だなと思うことが多いので
『漂着(kitchen)』から連想する、おすすめ小説を考えました。

⁡⁡夏の話が多いです。夏なので。


⁡⁡

『岸辺の旅』湯本 香樹実

幽霊になって帰ってきた夫と、妻の二人旅。
淡々と、どこまでも歩いていく。愛する人と二人でいるのに寂しい。

『夜の蝉』北村 薫

日常ミステリと落語と文学。「円紫」シリーズ二作目。
レトロムードの、昭和の大学生がいる風景。ほろ苦い。



『キッドナップ・ツアー』角田光代

実の父親に「誘拐」された小学5年生の、ひと夏の旅物語。
ほのぼのコミカル…に見せかけた渋みと苦み。

『どこから行っても遠い町』川上弘美

小さな町の商店街と、そこに住む人々の物語。
空気感。平凡、日常、なにげない、ということ。

『それからはスープのことばかり考えて暮らした』吉田篤弘

スープと、映画と、サンドイッチと、その他諸々。
人と人、物語と物語のつながりが、ほっこり淡く綴られていく。


『風の歌を聴け』村上春樹

真夏の倦怠感と、乾いた空気と、停滞。
「僕は・君たちが・好きだ。」

『きらきらひかる』江國香織

夫と、夫の恋人と、私。好きな人たちとの暮らし。
自分ごとと他人ごと。⁡私の事情は私にしかわからない。


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『漂着(kitchen)』のあらすじは、下記のとおり。

ー海に立つアパートの三つの部屋からー

不動産屋を責めるつもりはない。

家賃にお金をかけるのがバカらしくてもうちょっと安くを繰り返していたらここに落ち着いた。
町の中心からはすっかり離れた昭和のアパート。
わたしが朽ちるのが先かこの建物かってくらいの。
「海が一望ですよ」ってキッチンの小さな窓から見えるだけ。
それでも夕陽の光が海の水面にキラキラしてるのは悪くない。

他の部屋の人とは面識もないし興味もないけれど(大家が人懐っこい)、時々聞こえる生活の音はそこに誰かが生きていることを確かめさせる。

そう、小さな部屋でみんな今日もなんだかんだと生きている。

下鴨車窓 HPより


『漂着(kitchen)』となんとなく、空気感やストーリーに共通するものを感じる小説を選びました。

観劇のきっかけに、または観劇前の気持ちづくりに
あるいは観劇後の余韻を楽しむ手がかりに、お役立ていただければ幸いです。


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下鴨車窓『漂着(kitchen)』
脚本・演出 田辺剛

■日時
2022年7月
2日(土)18:00
3日(日)13:00/18:00
4日(月)13:00

■会場
THEATRE E9 KYOTO

■チケット
一般=3,000円
ペアチケット=5,000円
ユース(25歳以下)=2,000円

■出演⁡
大熊ねこ
坂井初音
西村貴治
上条拳斗
西澤翼
藤島えり子
にさわまほ
越賀はなこ
加藤彩
福西健一朗
田宮ヨシノリ
池山説郎
森川稔
辻智之
二宮千明
尾國裕子
神谷牡丹
イルギ
岡田菜見⁡


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