見出し画像

【百人一首】7. 天の原 ふりさけ見れば 春日なる 三笠の山に 出でし月かも

天の原 ふりさけ見れば 春日なる 三笠の山に 出でし月かも

安倍仲麿:所載歌集『古今集』羇旅(407)

大空をふり仰いではるか遠くを眺めると、今見ている月は、かつて奈良の春日にある三笠山の上に出ていた月と同じ月なのだなあ。

原色 小倉百人一首/鈴木日出男・山口慎一・依田泰/2014

I gaze up at the sky and wonder
is that the same moon
that shone over Mount Mikasa at Kasuga
all those years ago?

英語で読む百人一首/ピーター・J・マクミラン/2017



しょっちゅう口に出してしまうくらい好きなこの詩。
作者: 阿倍仲麻呂は遣唐使として唐に行き、結局日本に帰国できなかった人。きっと故郷が恋しいという気持ちで詠んだのだろう。

私も留学して同じような気持ちになった。
月を見て何故か日本が恋しくなった。きっとこの詩のせいだ。笑
……でも嬉しくもなった。


イギリスにいたある日、満月がとても綺麗だったので写真を撮ってインスタに載せた。
すると数十秒後に彼から満月の写真が送られてきた。「待って、ちょうど俺も撮ってたんだけど」という言葉と共に。

…今思えば“くさいなぁ”、“我ながらチョロいなぁ”なんて思うけど。笑
当時、それはそれはときめいちゃって😇


それから帰国までの間、よく月の写真を送った。
あまりにも送ったせいで「月を見ると(私)を思い出す」なんて言われたこともあった。いつしか私も月を見る度に彼のことを思い出していた。
こんなに離れていても同じ月を見れるなんて。



彼と最後に会ってから早2ヶ月。
私はもう月を見ても彼を思い出すことはない。

貴方はどうですか?
たまに私のことを思い出したりするのでしょうか。


2024/1/14

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?