掴まないと消えてしまう(未来予知)
なんだかわからないけど、何かに(だれかに?)猛烈に逢いたい。
相手もいないのに、恋してるみたい。
何かしなきゃいけない、という焦燥感だけ湧いてくるのに、何をしていいかわからない。何かに急かされている。
予感で胸が息が苦しい。
2021年2月下旬。アパートのこたつの中で悶々としていた。
その頃、自分の羅針盤は海外に向いていることは、何となく分かっていた。
最初に出てきたのは台湾、だった。
あの、暖かくもんわりした空気。都会なのに、抜けがたくさんある感じ。自由が、余裕が、希望がある感じの街。南国の甘い風が吹く台北。行きたい。
台湾の求人を探したけど、コロナ禍で今はあんまり職がない。あるにはあるが、心にフィットはしない感じ。
しょうがない。もう来月には海外に行きたいくらい気分は盛り上がってしまっているし。この中で探すか、と思っていたら、ある求人が目に入った。
香港。
正直、見るにはみていたが、今まで候補外だった。だって、今ヤバいところでしょう。しかも、2015年に母と旅行に行った時は、あまりいい印象はなかった。
台湾よりも物価が高く、せわしなく、余裕がなく、街ががさがさしている印象。中国からの観光客がたくさんで、だれもがそれを受け止められなくて。街全体混乱している感じがした。
あれから5年。状況は更に混淆としている。
香港の求人を見たら、締め切りは今日。現在の時間は19時。
必要な書類は英文履歴書とその他諸々。正直めんどい。わたしは英語が大嫌いだ。
それなのに、居ても立っても居られなくなった。掴めなかった「何かに、だれかに逢いたい」気持ちの尻尾が掴めた気がした。
アパートにじっとしていられなくて、パソコンだけ持って立ち上がる。寒い中車のエンジンをつけ、コメダコーヒーへ向かう。
道中、友達に電話。
「ねぇ、香港と台湾、どっちがわたしっぽい?」
ただならぬ熱気に、びっくりする友達。
「えっ。うーん、、、何となく、香港かなぁ」
「だよね?私もそう思う」
ほとんど言わせたに近い。
興奮したまま、物凄い勢いで履歴書を書き上げる。わたしはこう言う時の素早さには定評がある。
「早くしなきゃ、早く出さなきゃ。香港に行かなきゃ。」
今でも、何にそんなに急かされていたのか、わからない。
コレが私の人生にときどき起こる未来予知だ。何かに猛烈に突き動かされる。(周りからはたびたび頭がおかしくなったと疑われる)
未来からの風が届く。
香港へ行けば、その答えが見つかる、と思っている。
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