なぜドラ表示牌を2枚開くか(1) ~ 採用役について

前回に続き、私が提案する麻雀の新ルールについて。
今回は「なぜドラ表示牌を2枚開くか」に関係する話題のうち、採用役について説明します。

巷の雀荘では赤牌などのボーナス牌が入っていることが当たり前になっており、その流れを受けてMリーグでも赤牌が採用され、ドラ扱いになっています。
一方、麻雀競技団体(プロ団体)ではそれぞれルールはあれど赤牌はないのが普通です。

そのようなプロ団体の競技ルールで打ってみるとわかりますが、打点を作るのが非常に難しく、ある程度点差がついてしまうと逆転は困難になります。
そのため、半荘後半はトップが独走するのを横目にひたすら守り、せめて順位が落ちないようにするだけ‥‥となることも珍しくありません。1巡目からオリを視野に入れる戦法が有効になってしまうほどです。

麻雀は和了り競争をするゲームであって、オリ競争をするゲームではないと思うのですが、殊に競技麻雀においてはルール上オリ競争が上手い人が良い成績を残しやすくなっています。

なぜそうなるか。
それは前述のように打点を作るのが難しいからで、打点を作るのが難しいのは採用役が少ないからです。中国麻雀のように多数の採用役があれば何とかなるでしょうが、日本の麻雀では打点は多くの場合ドラに頼ることになります。
しかしプロの競技ルールで通常ドラ表示は1つ=ドラは4枚しかありませんから、役なし・ドラなしの手が多くを占めます。そんな手を必死に追うより、オリを想定していつも守備気味にするのは必然です。

一方Mリーグではドラ扱いの赤牌3枚が導入されました。これによりドラは合計7枚、裏ドラを含めると11枚あることになります。
これで打点が作りやすくなり、点差がついても逆転が起きやすくなりました。安全牌を持たず目一杯に手を広げることが増えます。

赤牌の採用は、全体としてゲームを活性化させ、麻雀好きの裾野を広げる要因になったと思います。
競技ルールでの細かい点数のやりとりや、オリのための読み技術が好きな人もいますが、やはりその魅力は伝わりにくいもの。高打点の応酬、果敢な攻め、大逆転といったシンプルな面白さを好む観戦者、打ち手は多いでしょう。

以上、採用役の少ない日本の麻雀では

  • ドラを増やす

  • 採用役を増やす

のいずれか or 両方をしないとゲームの活性化や麻雀好きの裾野拡大は望めません。
しかし採用役を増やすのは困難です。競技団体にしろMリーグにしろモンド杯にしろ採用役はほぼ同じであり、共通認識が出来上がってしまっています。ここから広く認知してもらえる新しい役を作るのは無理があります。

ではドラを増やすとしましょう。
Mリーグのように赤牌を導入するのがよいか?
‥‥これについて次の記事で書きたいと思います。

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