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カメラ女子との邂逅

最近カメラ女子と呼ばれるようなお嬢さんたちにポートレイトのモデルを頼まれる。オッサンを撮って何が楽しいのか分からないが、我々が女の子を撮ってウハウハするのと真逆のベクトルのようで、実は同じ方向性なのかなと思ったり思わなかったりしている。

今朝も夜明け前の公園で、昭和の芸人の宣材写真のような「ちょけた」ポーズをリクエストされて、アホみたいに頑張ってみた。あと女物の服を着てスカートの端を咥えて、パンツやらチンコやらを見せる写真も撮られた。あれ世の中に出されたら、死ぬな。というか出される前提だけどな。この時期にしては肌寒い路上で、早朝とはいえワンピースに着替える行為そのものが、アートというよりは変質者的だった。

撮影後フォトショップを貸せと言われて二人して自宅に戻ったが、数百枚撮られた写真が一枚残らず「目が笑ってない」ものばかりで、我ながら震えた。ぼくはこんな顔してたんだって恐ろしくなった(笑)最初に撮ったシリアスなポートレイトは格好良かったけれど、お嬢さんはお気に召さないようで、アホな格好してるものを選んでレタッチしていた。

コーヒーを淹れて隣でフォトショップの使い方を教えてやっていたが、眠さと疲労で意図せず「あーセックスしてぇな」と呟いた。お嬢さんはこちらを見て「する?」と訊いてきたが「いえ結構です」と即答した。君とするならお金払ってお店に行く。「オッサンの癖に断るな!」と手元にあった文庫本の歳時記を投げられて顔に命中した。無償でモデルやってパソコンまで貸してる相手に何してくれんねん!?

文庫本が当たったショックで鼻血が出た。出血の気持ち悪さでくしゃみを連発したら、その辺に血が飛び散り、さらに肛門括約筋が揺るんで、下痢気味だった一口ウンチが漏れた。「二日連続で漏らした-!」って叫ぶと、お嬢さんは大喜びで、風呂場で尻を洗ってパンツを捨てるぼくを撮影していた。

「良い物が撮れた、ありがとうね」と、8時前にお嬢さんは帰った。帰り際にお礼だと牛丼屋の30円引きクーポンをくれた。ぼくの5時間は30円、しかもクーポンかと思うと、おかしくて仕方なかった。笑ったらまたウンチが出た。

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