見出し画像

船の行先

私には4人の子どもがいる。

皇帝気質のリーダーシップを取らせると優しい長男坊、8歳。
参謀タイプ、ド級のマイペースの次男坊、6歳
夢はアイドル、スーパー我儘プリンセスの長女、3歳。
ラブリーな末っ子、なんでもニコニコ大解決、まだまだ未知数な次女、7ヶ月。

字にしただけでも、やたらと個性的な面々が出揃っているが、こんな癖のある子が生まれるのだから、親もまたそれなりである。

今日の主役は、4人兄妹のトップ、長男坊。

母の誕生日の3日前に生まれてきた彼は、癖の強い父と母のサラブレッドと呼ばれていて、日々、ぶつかることが多い。

有り体に言えば、日々、騎馬戦である。
(書いててヒィ!ってなってる)

8歳になり、ようやく言葉と思考が繋がり、自分の紡ぎたい言葉を発することができるようになり、彼の口からは、日々たくさんの言葉たちが羅列されるようになった。

その中には優しい言葉たちも多く含まれるが、相手を蔑め貶す言葉もまた、多く含まれている。

一個人として、その強く黒い言葉を発したい、という気持ちが酷くわかるが故、共感できるが故に、一方で安易にその言葉を使う彼に怒りも強く覚える。
もちろん、怒りの感情の奥深くには、私がまだまだ探究できていないであろう痛みがあり、その痛みに向き合わなければ永遠にこの課題は訪れる、ということもわかっているので、流すという選択を取る時も多いにある(夫に止められたり)

だが、時折それは、大いなる荒波となって押し寄せて、簡単に振り払えるものでもなくなり、その結果が、大なり小なり、毎日、騎馬戦である。

日々、ぶつかり合いながら、どう伝えるのが"正解"なのだろう、果たしてどう伝えたら、まだまだ言語も理解も、発展途上の彼に理解してもらえるのだろう。
毎日毎日、考えては、私の奥底と繋がり、答えが出ては安堵し実行し、そしてまた変化が訪れてぶつかり、その繰り返し。

発展途上の生き物は、とても美しい。
日々、見ていて飽きない。
得られるものも多く、未知の体験の連続に溢れている。
だがしかし、とても美しいが故に、荒く、脆く、純粋性が高い故に染まりやすく、私が少しでも舵取りを誤ったのなら、簡単に船から振り落とされてしまうかもしれないという心配は尽きない。
その体験は、彼の純度の高いその心に、大きな傷を残してしまうのだろうか。

私に、ロールモデルとなる長男よりも大きな子どもがいないように、長男にとっても、自分がこれからどんな風に成長していくのかを示してくれるロールモデルはいない。
だからこそぶつかり合って、互いに成長していく他はないのだろうが、日々本当に手探りである。

子育てに、本当の意味での指針はない。
説明書もなければ、指南書もなく、あるのは日々の"生の体験"から得られるものたちだけ。
それもまた他の誰かに参考にはなっても、正解にはならない。

日々、私に、子育ての"生の体験"を提供してくれる長男のおかげで、下3人の子育ては、随分と手を抜いたもの、となっている。

子育てに正解はない。
でも日々の、ぶつかり稽古のような生の体験が、私も彼も、大きく成長させてくれることを想う。
そして私は、もしも舵の操作を誤って、彼が振り落とされてしまっても、自身の誤ちに即座に気付き、すぐに彼を助けに行ける母となろう。
時々、彼が私の舵を奪い、大きく船が傾くこともあるだろう。
そうして日々、泣いて笑って怒って泣いて、また笑っては怒ったその先に、君が行きたかった、望んだ場所が開けていますように。
その場所に君を降ろし、母はそこを立つ。
飛ぶ取り跡を濁さず。颯爽と。爽やかに。
その日までは、どうぞよろしく。

˗˗˗˗˗˗˗˗˗˗˗˗˗˗˗˗˗˗˗˗˗˗˗˗˗˗˗˗˗˗˗˗˗

生きるたび傷ついてきた、大人たちへ
"私の人生を生きる"サポートを。

𝒑𝒔𝒚𝒄𝒉𝒊𝒄 𝒄𝒐𝒖𝒏𝒔𝒆𝒍𝒐𝒓
テラモトサヤカ 𓄂𓈒𓏸𓂂꙳

Counseling Menu
   申込み受付中です▹▹


˗˗˗˗˗˗˗˗˗˗˗˗˗˗˗˗˗˗˗˗˗˗˗˗˗˗˗˗˗˗˗˗˗

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?