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時評

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2020年12月の記事一覧

時評2020年12月号

「印象に残る」とは    富田睦子

 原点としての「歌を始めた頃あこがれた歌」について引き続き考えている。
 「始めた頃」についてははっきり記憶がある。それは島田修三であり、時期的には第二歌集『離騒放吟集』第三歌集『東海憑曲集』といった最も島田節が炸裂していた頃で、つまり私は「短歌でだったらなにを言ってもいい、詠んでもいい」と思ったのだろう。
 その四・五年前の『サラダ記念日』ブームの時は中学生

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