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あわあわちゃんとお空の魔法(視点を変えればリメイクver.)

頭の中にはいつもはてないっぱい。
びっくり、えっ!?。ぽかーん
でもそれはとても普通の事で。

その日のあわあわちゃんは、少し遠出をしたい気分になっていました。

「ねぇねぇ、遊びに行こうよ♪」

お友達を1人誘って、
あわあわちゃんの大好きな風さんのカフェの甘い冷たい空気を吸いにいったり、雲さんのお店でふわふわのお洋服を着せてもらったりと、あわあわちゃんの好きを詰め込んだ、とても楽しい時間を過ごしていました。

「そう言えば、そろそろ風さんが氷や雪を作る頃なんだなぁ」

地上では冬と呼ぶその季節は、雲の上では風さんが氷を作って、冷たいお菓子を届けてくれているんです。

去年の今頃は、お城の秘密の灯台から、とてもキレイな夜景を見に行ったなぁ。
まるで、お姫様の宝石箱をひっくり返したみたいな、色とりどりのキラキラと輝く夜の景色。

ん?でも……。
ぼく、お城の秘密の灯台から、お昼の風景を見たことがないや、見てみたいなぁ……。

1度わいた好奇心はおさまることはなく、あわあわちゃんはうずうずむずむず。
そんなあわあわちゃんを見て、あわあわちゃんのお友達が「どうしたの?」と聞きました。

「ねえ、お願い!ぼくといっしょに、お城の秘密の灯台に行こう?」

あわあわちゃんのお友達は少し疲れていましたが、秘密の灯台という所に興味津々。

「いいよ♪」
と言ってくれました。

「ありがとう!」
あわあわちゃんはとっても嬉しそう。
その灯台にお友達と行くのは初めてだったんです。
勇気を出して誘って良かった♪

お城の階段をたくさんたくさん上って、少しへこんだ壁をグッと押します。壁がくるんと一周して、新しい階段が目の前に出てきて、お友達はびっくり!

「こんな所があったのね、すごい!」

そうして、また階段を上ります。
どれぐらい上ったのかわからなくなった頃、突然目の前がふわぁっと明るくなりました。

「ここだよ!ここが、秘密の灯台なんだ」

お昼に来たことがなかったあわあわちゃんも、改めて下の景色に目を移しました。

「うわぁぁ……」
言葉を失うあわあわちゃん。
夜は宝石箱だったその景色は、まるでミニチュアで作られ世界のよう。景色の全てがちいさくちいさくなっていて、山も川も、森も林も全てがちっちゃく見えます。

夜は夜でキレイだけれど、昼は昼ですごいや!

お友達も言葉が出ないみたい。
けど、流石に疲れたなぁ……。
たくさんたくさん上ってきた2人は、疲れてしまって少し休みたい気分でした。

そこへ風さんがぴゅうっと吹いてきて、お空を映したような、色とりどりのジュースを持ってきてくれました。

キレイだねー♪と喜びながら、景色を眺め身体を休めて味わうジュースは格別の味♡
そうしておしゃべりをしていると、段々とお日様がおねむの時間になってきました。

そこで2人は同時に、はてながいっぱいのお花畑に迷い込みます。

だって、そのお空はいつも見ているお空とは違って、縦にも横にも線が入っていて、まるでお空に十字架が浮かんだようだったから。
そして、そのそれぞれが青空だったり、夕焼けだったりと、誰かがお空のキャンバスで色遊びをしているような、普段と違う景色。

今まで、横に虹みたいに色が違うしまもようのお空はたくさん見てきたけれど、縦のしまもようのお空を見たのは初めて。

そしてそれを同時に見たあわあわちゃんとお友達は、はてなのお花畑から、それが本当は普通の事で、普通の事に感動している自分たちに気づきます。

声が出ない。
言葉にならない。
けど、この景色は忘れられない。
忘れたくない。

寒い季節に、心を暖める何かが、自分たちの中からぶわっと湧き出てきました。

それは、特別なようで気づければ普通の事。
1人じゃない事で、倍になったわくわく、ドキドキ。
それに重なるように感じる、ぽかぽか、ふわふわ。

不思議な気持ちのまま、お日様とさよならするまで、ずっと2人でその景色を静かに見つめていました。

お城の秘密の灯台から降りて、その後も見るもの全てが不思議と新鮮で、まるでお空の魔法にかかってしまったかのようです。

「ねぇ」

感動に感動を重ねられて、胸の中がじんわりしてきて、あわあわちゃんとお友達が、思わず同時にお互いを呼びました。思わず、くすっと2人で笑い合います。

「今日見た景色、ずっと忘れないよ」
「私も。新しい自分をプレゼントされたみたい」

そして2人でニコッと顔を見合わせて
「楽しかったね♪」
「いっしょにいてくれて、ありがとう♪」
当たり前の言葉も、今のあわあわちゃん達には特別に聞こえます。

2人だから。
見られた景色も、そこで思った事も、感じた事も、倍にも数倍にもなりました。

「いっしょに」「楽しく」「ありがとう」
取っておきの魔法の言葉、みんなも使ってみませんか?

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