直近で作っていたものが、同じ世界観のお話なので、マガジンにまとめてみようと思いました。ヘッドハンターが、フリークスのボス〝ヘッド〟とそれを慕うものたちの頭を狩るお話です。登場人物…
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ハウンドドック #2
セッターの声が聞こえなくなった。
ウッドペッカーの野郎、気が付いたか。セッターは、攫われた女のフリをして奴を油断させる作戦だった。
「なあ、シューター知ってるか。この地下鉄の使われなくなった線だけどな」
ポインターが俺に話しかける。別に俺たちはのんきにおしゃべりをしているわけではない。
俺はボウガンの矢を放つ。
「また、外れたな。で、メトロの廃路線がなんだって?」
「ここな、墓場になるらし
ハウンドドック #1
フリークスたちの会話が、地下迷宮にこだまする。
「シューター。ウッドペッカーの野郎、足に矢がヒットしたぜ。血のにおいがする。もう逃がさないからな」
「ああ、ポインター。その調子でたのむ。ここをアイツの墓場にするぞ」
墓ってのは、墓じまい、いわゆる〝卒業〟しない限り増える一方だそうだ。都市部では、墓場の土地が足りなくて困っているって話だ。
このメトロの廃路線の再利用に関する案は二つあった。一つ