『北田卓史原画の部屋』 おもちゃで遊ぼう
みなさんこんにちわ。児童画家北田卓史の描いた原画を管理しているTaxiPro.です。
今回は、子どもたちの大好きなおもちゃを描いた原画を紹介します。
これまで「街を行き交うくるまたち」や「電車でGO!」の回でご紹介してきたように、北田卓史は、絵本の中で自動車や電車などの乗り物が登場する場面をたくさん描いています。
アトリエには、ミニカーや鉄道模型、飛行機や戦車のプラモデルなどの乗り物のコレクションがたくさん飾られていました。乗り物以外にもモデルガン、ロボットなどもたくさん集めていました。
これらのコレクションは、絵を描く時の参考にもなっていたようです。
今回ご紹介する原画に描かれているおもちゃの中にもそういったコレクションを参考にしながら描かれたものが多くあります。
まだ、テレビゲームやキャラクターグッズがなかった時代の子どもたちが遊んでいたおもちゃがたくさん出てきます。
1963年の作品です。
やんちゃそうな男の子がおもちゃを乱暴に投げつけたり、蹴とばしたりして暴れています。飛行機の翼は折れ、犬のぬいぐるみは足がとれてしまいました。
ロボットとくまが右下のおもちゃ箱の陰に逃げ込んでなにかひそひそ相談しています。
どうやらロボットとくまが助けを呼んだようです。
戦闘機や戦車のおもちゃの大群が一斉に攻めてきました。
思わぬ反撃にやんちゃ坊主もびっくりしています。
1966年の作品です。
この子もちょっと聞かなそうですね。
おもちゃの入った箱を乱暴にひっくり返しています。
出てきたおもちゃがちょっと不思議ですね。
目覚まし時計、お猿のおもちゃ、トラック、女の子の人形、電話、どれも二つずつあります。
時計の針は、それぞれ6時と3時を指しています。
2台のトラックは色違いです。
人形は、ひとつは目を開き、もう一つは目を閉じています。
何かストーリーがあるのだと思いますが、残念ながら出典がわからないので、何を言おうとしているのかは分かりません。
1962年の作品です。
家の廊下の突き当りがこの男の子専用のコーナーになっています。一日の終わりに片付けをしているのでしょう。そこへ黒い犬が覗きに来ました。
棚の中は、大好きなおもちゃと昆虫採集の道具がきちんと整理されています。
扉には幼稚園の帽子と通園カバンが掛けられ、カバンの横には昔懐かしい形の水筒も見えています。
その下に貼ってあるのは、幼稚園の日程表でしょうか。
この子は、前の二人と違い随分行儀が良いようです。
隣の部屋の暗がりには、懐かしい形のテレビが置かれているのが見えます。おそらく白黒テレビでしょう。
この子は自分の部屋でおもちゃを広げています。
広い部屋の中でたくさんのおもちゃに囲まれていても、友達がいないのでしょうか、どこか寂し気です。
みんなでおもちゃを広げて遊んでいると、ひげのおじさんが風のように現れて、強力な掃除機のような機械でおもちゃをどんどん吸い込んでしまいました。
おもちゃをちらかしても、こんなおじさんが出てきて一気に片付けてくれれば楽ですね。
子どもにとって、おもちゃを広げて遊ぶのは楽しいけれど、後片付けはやはり面倒です。
おもちゃが出てくる子ども向けの本では、「おもちゃを大切にしましょう」「遊んだらきちんと後片付けをしましょう」、といった教育的な意図が込められている絵が多いようです。
それでは今回はこの辺でお仕舞にします。
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お知らせ
現在、練馬区立関町図書館で、児童書のフロアに北田卓史の原画を展示するコーナーを設け、3点の原画を展示していただいています。来年3月までの予定で一か月ごとに展示する原画が変わります。9月27日から10月24日まで「山ねこおことわり(ポプラ社)」の原画3点が展示されています。TaxiPro.のプロフィール画像に使っている下の絵も展示してありますので、興味のある方は是非ご覧ください。