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手話を学ぶ大切さ①

本当はろう学校現場でも教材研究しながら授業の理解の手立てとして活用したいテーマがあった。でも現場復帰の見通しは厳しいところだ。(詳細は、先日投稿した「免許法の裏に迫る」を読んでくれば幸いである。)

 とりあえず、今コロナ禍によって自宅にいる時間が長くなってしまった子どもたちのためにきちんとした学習時間を提供しようと立ち上げたある団体の紹介を友人から受けて登録し取り始めてから5ヶ月経つ。その一人の生徒は、日本語が苦手であり、日本語を手話で学ぶという考えを要望している。学校の担任は、指文字が多く手話がぎこちなく授業の理解は理解できているようでも会話としては言葉の引き出しがあまりないということだという生徒だった。

 彼らに適切な方法、、よし実施できずに眠っている教材研究をもう一度頑張りながら指導経験を落とさないように継続しよう‼︎これが今、取り組んでいる日本語指導の一場面である。

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 まずは固く真面目な内容で学習するのは、良くない。と考えて最初に取り組んだのが日頃の社会生活で経験する祝日や行事などをいくつか挙げながら四季の見通しをもたせる問いでやってみたわけである。以下、一つの例を挙げる。

《四季》→「4つの季節が回っている」(のような手話表現)

聞こえる人だったら、この使い方で手話を教えるのではなく、日本語を手話で使い教えるだろう。でも私なら違うやり方をする。

私(《四季》の回答になるためにやさしいことばで)「4つの季節というのは、何かな。」

生徒「春夏秋冬です。」(それぞれの手話を表現しているが、言葉だけで区切るような感じ

ここで言葉だけで手話を正しく手話で表しているけど実は区切っているため、日本語でいうと
「春、夏、秋、冬」という答えになる。

最初の問いは《四季》を確認したかったためにこれは間違いではないが、きちんと理解を深めることが足りない指摘になる。

正しくは「春夏秋冬をまとめて移り変わりした動きがあるのが《四季》です。」
または「春夏秋冬のことでこれを一年間変わっているまとめたことばになる。」
書記日本語でいうと、「〜のことを●●という。」表現で使われることが多いので慣れていくための言語活動にするのが、今求められる。

つまり、ここで生徒は《四季》の表現には、「4つの季節が回っている」という理解を一方的に受け止めるのではなく「春夏秋冬が4つの意味でそれが一年間で回っているんだ。」という自分で最終的に説明できるようにする。

必ず最後のまとめで、私が振り返る発問をしてしっかり理解度確認を図っている。ここで聞こえる人がやっているような形になるわけである。教えるやり方の順序が違うわけというのを言いたいわけである。

というふうに手話で学ぶではなく、手話を学ぶことから日本語を理解するというのが大事だと考えている。単に《四季》表現の解釈を日本語で説明すると、聞こえない子どもの脳の中には学習言語として正しく身に付かないわけである。

 日本語を手話で学ぶというのは、聞こえる先生方には何人か勘違いされているわけである。だから、学習言語の手話表現を生活経験で使うことには全く意味がないわけで、理解出来なかったという。(多くの卒業生は、社会に出た時に手話が学校だけの通じることばであった。社会に出たら色々通じてないこともあると言うこと聞いたことある。)

 だから私はオンライン授業を通して一つ一つ手話表現をきちんと見ながら、学習言語としての理解が出来る学びをしようと取り組んでいる最中である。

手話で表す言葉は、学習言語でなく生活言語としての理解になることで終わりにしている。最も意識しなければならないのは、「手話を学ぶ」であって、学習言語として説明できるようにする教師の説明の仕方が重要になること。

ろう学校の手話研修は、多くが単語の引き出しの数を増やす程度の内容で身につくことが主体になるため、これは生活言語としての説明になる。実際に指導への落とし込みが全く効果ない。勘違いされている手話の知識理解が多いわけである。これを自己評価しようとしていることから、「手話ができる先生が増えている」という情報は曖昧であって、事実上増えてはいない。ほんの一握り程度という現状である。 私たち聞こえない人が求めている「手話ができる先生」というのは、前述にあるようにきちんと教科内容で扱う日本語を《手話で学ぶ》ではなく、《手話を使う》ことによって学ぶことをきちんと理解出来るのが大事だと言いたいわけである。同時に聞こえない教職員の日頃の行いは、そのあたりしっかりと認識して取り組んでいるため研修会では奥深い議論が増えている。聞こえる人の学習内容も改めて見直すべきであろう。行政(教育委員会)には改めて正しく伝えなければならないので、連盟などの外部からの要望や大学などの動きをぜひ受け入れるべきである。

 私も今後授業の実際例を挙げながら、少しずつ触れて書いておくつもりである。また今は国語科の内容だか、社会科の内容も当てはまりやすい教材観でもあるのでいずれ執筆出来たらと考えている。