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「ことばの学習」実践からみる聴覚障がい児の学び#6 

ロイロノートを使ってみて色々と気付くことはたくさんあります。筆者の場合は、オンライン授業を始めた当初に行った助詞の学習方法をロイロノートでうまく活かすように実践する取り組みを模索しながら進めてきました。

ここでは「夏」の季節にあったことを課題掲示から読み取り、自分が相手に伝えたいことを解答している。Sくんが解答したのは次の通り。ここで使われている色分けは、先日の授業で学習したことを覚えており先生の指示に従って書いている。(「品詞はいくつかの種類がある」参照)

 品詞を用いた学習を活かして、今度はロイロノートを使ってみて書いてみる活動を導入した授業づくりを心掛けてみた。すると、生徒はキーボード入力をする時もあれば、実際にペンで書いてみるというように切り替えながら、教師の発問に問いかけようと楽しく集中する姿勢が出来るようになった。

昨今、コロナウイルス感染症の影響が終息の見通しなく今もなお厳しい状況は変わらず、授業スタイルは新たな変化を迎えている。そのような時代の中で学ぶ子どもたちは、私たちより早く最先端のテクノロジーを触れる機会を通して学ぶ姿勢が多く見られる。これは、将来における有望な人材育成の一環として成長することになる社会へとなったわけなのだ。

その現社会において、私の授業構想は実に言うと学校で勤務し始めた頃から必要性を感じており、実践機会を積み重ねたい思いをずっと抱えていた。それだけに何にも出来ないままで、非常に管理職の抑圧的な古い考えの指導助言や、教育委員会の研修体制も古い体質ならの考え方が時代遅れであって、なかなか自己評価を良くすることもなかった。だからこそ、今の政府(文部科学省)の動きを見ると腹立たしい気持ちを抱える日々でもあるのが、正直だ。自己評価についてや客観的評価とはどういうものなのか。これは今後もYouTube動画においても作成進行中であるが、私は教師の評価方法と実践機会の充実は非常に矛盾じゃないかと問いかけている。

 と脱線しそうですが、、、別の職場において、自分の思いを実現する機会をさせてくれたことに感謝しており、今もロイロノートを活用した授業づくりだけではなく、今度は新しい授業スタイルの構築も試行摸索しながらきこえない子どもたちの楽しい学びを提供していく日々に有意義な気持ちで、働く実感を感じているのである。いつかはこの成果を学校教育の現場において活かされることが私の夢であり、大きな目標と考えている。

きこえない子どもは、手話で学びながら学力向上を目指すことが一番良いゴールかもしれないですが、ろう学校の教育方針というか授業スタイルを見る限り、これは子どもたちが学力伸びる効果があるとは考えられないのが私の見解である。なぜなら、「書記日本語」がメインの言語環境だからである。

きこえない子どもたちは、口の形を見て受けることできればなんとかなると思っている先生方がまだまだ多いことが問題視であると訴えたいところである。生まれながらにして日本語で学ぶとはいえ、きこえる子よりことばの力が弱い実態なのだ。その弱い子どもたちを前に授業実践を進めていくためには何が一番必要なことは何か。言語としては「手話言語」だからだ。

でもきこえる人は、第一言語が日本語であって、手話言語が出来ないのは当然です。じゃあ手話言語=視覚言語として他に何が必要なことは何か。それは「絵で見る」ことなのです。つまり視覚的に情報が伝わってくる武器が求められるならば、それは「ICT活用」です。じゃあ「ICT活用」なら色々な方法は多用的にあるよね?と言って、私は手話言語に加えてロイロノートを活用してきたのが本題のテーマの根拠です。

A:タブレット端末を用いながら、書記日本語を正しく身につけることが出来る。

B:目で分かる情報を整理し、自分なりに理解したことを手話言語で発表することが出来る。

C:手話言語から学び、ICT活用を通して自己表現し、多様な選択肢を持って相手とコミュニケーションが円滑に出来る。

 このA〜Cを3段階評価としてそれぞれが高く評価されるほど、学ぶことが出来る子どもは大学進学、就職においても自分で相手に伝えようとする力(コミュニケーション力)だけではなくエンパワメントとして、自分の障がい認識を高めていることに少しでも伸ばせることが出来ていると見込んでいることが分かった。

最初に受け持ったSさんは、Aは出来ている。Bは指文字を多用することから少しずつ、手話言語できちんと文章表現しようと改善されている。Cは助詞の活用に多少間違いはあるが、ある程度相手が分かるような伝わり方を考えることが出来ている。という評価として、今後も少しずつ改善プランを意識しながら授業計画を立てて実践している。

次に受け持った子をBさんとする。この子は、BもCもまだまだ難しい。でもAは新鮮な気持ちで楽しめながらタブレット端末に触れることで、学ぼうとする姿勢が高くなっている。この学習ツールの引き出しの魅力を上手く活かしてもっと学ぶこと出来れば、Bが出来るようになり、やがてはCも出来るようになるのではないかと考えて、保護者との意見交換しながら授業内容を少しずつ良い方向へ向かう目標で授業計画を立てて実践している。

 というように、最近は5名それぞれのお子さんと授業を実践する日々である。その生徒の実態に応じてロイロノートを使うときもあれば、ロイノートを使わないでパワーポイントだけの一方的会話重視(従来の授業形式)も一つの選択肢として対応しながら学力向上ではなく、あくまでことばを育てていくということに重視していることが私の今の仕事である。

 非常に難しいことであるが、この授業実践の積み重ねを通して教科指導に切り替えたとき、ICT活用を活かした教育実践の大きな成果でもあり聴覚障害児における必要な学びではないかと考える。これをぜひ教育委員会及びろう学校には、もっと意識して考え直してほしいと思っている。正直、子どもの立場に寄り添った新しい教育方法になっているのではなく、表は教師の負担を軽減してこそ、指導の技術向上が単に改善されているだけで、受ける側である子どもたちが学力向上に結び付いていけないだけの被り姿勢であろうと指摘しておきたい。

授業実践の報告については、後ほどゆっくり執筆していくと言いながらまだお預けにしようとしているが、少しでもこの内容が皆さんに響いてくれるといいな。