小説紹介「ハーモニー」
こんにちは、Fumiです!
毎日暑い日が続いていますね…
今回は私の好きな小説である
『ハーモニー』(伊藤計劃著、ハヤカワ文庫)
のあらすじとおすすめポイントを紹介していこうと思います!
この作品の著者である伊藤先生はこの作品を最後に病により亡くなりました。
先生が闘病の中執筆されたこの作品には、
医療福祉の恩恵の光と陰の部分が鮮明にかかれています。
15年前の作品ですが、
これからの超超高齢化社会を見据えたかのようなストーリー設定になっています。
自分にとって本当に好きな作品なので、
あまり長くなりすぎずに紹介していこうと思います!
あらすじ
おすすめポイント
1.未来にありそうな「Watch Me」といわれるナノマシーンが登場
『ハーモニー』の世界では、
「Watch Me」というナノマシーンを体内に入れることで常に健康状態を保つシステムが作られています。
このナノマシーンは常に体内を監視して、
その人の体調に異変があればシステムが対応するという仕組みです。
例えば初期のがん細胞が見つかれば、検査する前に病院に紹介状を出してくれるようなイメージですね。
一見便利に見えるシステムですが、
見方を変えると体内まで監視されているので
あまりいい気がしませんよね。
『ハーモニー』の世界ではそれが当たり前になっていて、大人(おそらく原作では20歳)になったら強制的に入れられるディストピアのような監視社会が作られています。
その社会の中である日、何者かにより「Watch Me」が誤作動して人々が自害を選択してしまうテロが発生します。
その謎を解くのが主人公で政府組織に務める霧慧トァン(女)です。
あらすじにも書かれている通り、
彼女は10代の時に「Watch Me」を拒絶し、餓死を友人とともに選択して生き残った一人でした。
ストーリーを読み進めるほど「Watch Me」の謎が解き明かされ、主人公の過去にも繋がっていくのが個人的に面白いポイントです!
2.SFなのにミステリーのような展開
この作品は主人公の過去が謎のまま物語が始まります。
唯一明らかなのは、
・主人公が10代の時友人と「Watch Me」を拒絶して自害を図り、友人の中で生き残った一人であること。
・母親を子供の時亡くしていて、父親が行方不明で成長期を送る。
・政府組織に勤めているエリートエージェント
これだけです。
そこにこの「ハーモニー」のディストピアの世界観がうまく合わさって、主人公の謎も明かされていくのが面白いです!
そして「Watch Me」はなんのためにあるのか、その社会がもたらしたのは本当に恩恵だけだったのかもわかるとより面白いと思います。
今回は好きな小説の1冊である『ハーモニー』をしょうかいしました!
気になった方は是非読んでいただけると嬉しいです。
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