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旅で磨こう「文化力」

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「大人の心は、いつも発見の旅を待っている」。そんな旅のヒントを、これまで体験した内外の旅を通じ伝えたい。
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2022年12月の記事一覧

いくつもの文化・文明が交差した国、トルコアジアとヨーロッパを結び、遺跡の宝庫

 いくつもの文化・文明が交差し重層化してきた遺跡の宝庫、トルコへの旅は宿願だった。ギリシャの詩人、ホメロスの叙事詩『イーリアス』の舞台となったトロイの遺跡や、凝灰岩の台地が侵食されてできたカッパドキアの奇観は一度目にしておきたいと思い続けていた。そしてシルクロード踏査の夢を実現するためにも、アジアとヨーロッパの二つの大陸を結ぶトルコは要所なのだ。2006年12月、16日間かけて六つの世界遺産を中心に巡ってきた。 ■伝説の地トロイは、9層の遺構が重なる  トルコへは関西空港

ヨーロッパ文化とも融合、モロッコ魅力たっぷり「迷宮都市」の旧市街は世界遺産

 モロッコへ行こうと思ったのは、スペインのイベリア半島を旅した時、地図を見ていて、海峡を隔て、わずかフェリーだと約1時間半の近さであることが分かった。もう一つ、私の尊敬する映画監督の新藤兼人監督のお勧めが「モロッコ」(1930年製作)だったことも頭の片隅にあった。さらにアフリカはエジプト以外未知の地だったこともあった。モロッコは、「ここは地の果て」と歌われたアルジェリアよりさらに西方だ。  この地域はアラビア語で「マグリブ」と言う。それは「日の没する地」「西の最果て」を意味