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しゅうかつロック、ボクにも言わせて 第2回「ロック対談 だぶる模話模話模話① ~あこがれの渋松対談リスペクト編~」

模話1「模話です」
模話2「模話模話です」
模話1・2「二人合わせて、だぶる模話模話模話です」
模話1「これ著作権とか、ひっかるかな?」
模話2「漫才ブーム知ってるひとくらいしかわからないんじゃないの?」

模話1「松村雄策さんがお亡くなりになったな」
模話2「うーん、ほんとにロック世代の人が死んでいくのって、なんだかほんとにぴんとこないよね。なんでかな」
模話1「確かに、ジェフベックが死んだって言われてもさ、元々生きている神様みたいなもんで、生きる伝説が死んだってだけで、ほんとに生きてる普通の人間って感じはないんだよね。おれにとってロックのひとたちってさ」

模話2「わかるな~。ほんとに、キースムーンだって、死んだって言われても相変わらず、いま普通に映像見られるし、曲も演奏も聴けるし…伝説継続中だもんね」
模話1「お知り合いでもないし、普通の人間の側面って、われわれにはある意味恐れ多くて、近づいちゃいけないし、そっとしとかなきゃいけないのかなって思うしな」

模話2「ふふふ」
模話1「なんだよ。気持ち悪いな」
模話2「渋松対談やりたかったわけね」
模話1「うん。わかった~?」
模話2「あの二人の影響力は強かったものね、追悼という意味を少し入れて、あこがれの渋松対談の真似ってことですかい?」

模話1「まあね。でもさ、ロックの人たちって、やはり雲の上の人たちで、身近な人ではないよね」
模話2「まあ、逆に言うと、身近な人にしたくないってのかな」
模話1「ふつうじゃない人生を送ってくれている伝説の方々って感覚はいなめないよね」
模話2「なんだか、普通に友達でいるって考えちゃいけない感じするんだよね。そう考えられないのって、失礼になるんじゃないかっておもうんだよ」
模話1「確かに、ピートタウンゼントとご飯食べに行くって、なんか行きたいような行きたくないような」
模話2「自分がロックという大変な面倒な世界に責任を取って役割をはたしていたらそれもいいかもしれないけど、普通の人間が『ウッドストック』のときにつめはがれてて大変でしたねとか、話しちゃいけないような気がするんだよね」

模話1「あがめちゃってるのはいいとは思えないけど、でも、簡単に考えるのって違う感じあるよね」
模話2「わざわざ幸せを放棄して、その道を意を決してやっているって、やっぱり思わざるを得なくてさ」
模話1「大げさに考えるのが、たぶん我々の世代が最後なのかもね」
模話2「特別な瞬間として味わっちゃって、人生が大きく影響を受けてるってとこでね。幸不幸別にして、たぶん、他の世代にはわからない経験をしているとは思うよ」

模話1「リアルタイムを逸してきているていう微妙に遅刻している世代ともいえるよね」
模話2「わかるな~。渋谷陽一さんの世代みたいに、大学受験行かないでレッドツェッペリン見たとかはないもんね」

模話1「初めて見た外国人ライブはレインボーで名古屋の鶴前公園のなんとか公会堂だっけ」
模話2「ジョーリンターナーのときで、ぜんぜんよくなかったけど、はじめてだから興奮したよ」
模話1「本当はさ、ロニージェイムスディオが好きだったんだよね。コージーパウエル、ジーミーベイン、トニーカレイのときだっけ」

模話2「だいたい、静岡県のどいなか出身だし、タイミングはほぼ逸している(笑)」
模話1「好きになったときが遅きに失している(笑)」
模話2「だよね。だいたいレッドツェッペリンって、初めて聴いても難しいから、やっと『丘の向こうに』とかいいと思いだしたら、ドラマー死んだとかさ~」

模話1「でも、昔バンドやってるときにかなり年下の連中に、中学の学校放送でセックスピストルズかかったとか、タイユアマザーダウンはシングル発売時にラジオで聴いたとかいうと『すごい、リアルタイムですか~?』とか言われておどろかれたよね」
模話2「ちゅーとはんぱだな~」
模話1「それで、渋谷陽一さんの影響って大きかったってのもあるよね」
模話2「そうそう。だって渋谷さんのいいっていうアーチスト以外はだめだから聴かないようにしようって(笑)」
模話1「ロキシーミュージック、レッドツェッペリン、ニューウェーブ系統はよくて、好きだったボストンとかトーキングヘッズもなんかだめなのかとか(笑)」

模話2「それで、予備校時代はテープでいつも『ロンドンコーリング』『永遠の歌』『アヴァロン』『コーダ』『刺青の男』くらいしか聴かなかったもんね」
模話1「嘘つけ。『地獄のハイウェイ』とかジューダスプリーストとかも聴いてたろ」
模話2「へへへ。となりの部屋のやつはヘビメタだったしさ」
模話1「そいつと四谷の公会堂にライブ映像見に行ったときあったじゃん」
模話2「うん。メタルかっこわるいな~って確かにそのとき思ったけどね」
模話1「あの頃、パンクもヘビメタも同時に映像でみせてたってのがおもしろいよね」
模話2「ラッシュをはじめてみたのもその時。たしか、最初アコギではじまってたから『クロストゥーザハート』か『トゥリーズ』かな? クラッシュとかかっこよかった。反対にジューダスプリーストとかおもったよりよくなかった」
模話1「いちばんすきなんじゃなかったっけ」
模話2「つまんなくなってたころね。曲が短くなって、商業的になっていて。やっぱりニューウェーブがかっこいいってのは理解した」

模話1「なんだかわからないけど、渋谷さんがいいってのをひとまず全部勉強したりしたときだよね」
模話2「それなりの理由があることは理解できたし、上京して、都会的なセンスの音楽を聴いている知人ができたりして、音源借りたりしてると考え方変わるよね」

模話1「どっちかっていうと、影響受けすぎて、自分の好みってよりあたまでっかちのいうのに洗脳されたこともあったね」
模話2「まあ、可動域を広げる時期だったってことだよね」
模話1「そこで、自分軸になるものがでてきたんだよね」
模話2「ザ・フーのこと?」
模話1「渋谷さんはピートタウンゼントの被害者意識強い感じがどうも気になるって言ってたけど、松村さんはフーには好意的だったもんね」
模話2「結局二人の影響でザ・フーってことだったのかもね」
模話1「パンクの元祖ってことで、権威好きの自分にはなんかいい感じがしたんだと思う」
模話2「結局、他人からの影響で聴き始めたわけね」

模話1「それはそうだよね。確かに。しかし、フーはちょっとちがったんだよね」
模話2「要するに、ほんとに好きになったってことね」

模話1「大学1年だったかな、『フーズネクスト』をレンタルで見つけてテープに録音したときね」
模話2「泣いたんだよね、理由わかんないけど」
模話1「不思議だよね、ババオライリーって、別に悲しいバラードとかじゃないし、勇ましい曲なのに、自分でもわけわからないくらい感情が高まってさ。涙とまらない状態になった。あんな経験はそこまで多くないから」

模話2「話は、ちょっととぶけど、2001年の911のチャリティーコンサートのザ・フーの演奏のババオライリーもすごかったね。泣けたよあれは」
模話1「あれは、会場の警察官たちがもう明らかにのりのりで、本当に演奏に感動していて体が自然に動いているのが伝わってきたよね」
模話2「死ぬ前のジョンエントウイッスルもいて、最後の三人のすごい演奏だったよね。ピートの演奏がすごかった。ザックスターキーもよかったし」
模話1「ライブエイドのクイーンみたいな存在だったよね、あのときは」

模話2「エディベダーか誰かが、『四重人格』がなかったら自殺していたかもしれないみたいな話してたよね。
模話1「自分もさ、ババオライリーやピュア&イージーとかなかったら、まともに生きてなかったかもしれないよ。おおげさじゃなくそう思うもん」
模話2「ババオライリーのピートの『泣くな、十代はウェイストランドだ、気にすんな』ってのが英語だけど、なんか伝わってきて涙出たってことにしとこうか」
模話1「十代どころか、あらゆる世代でだめだめだったから、いつもあのフレーズには泣かされてきたんだね。本人も苦労したんじゃないかな。今もなんだか泣けてきた。キッズアーオーライトの映画のババオライリーもぐっとくるよね。キースムーンはもううまく叩けてないけど、なんだかぐっとくる。あのときのピートタウンゼントの演奏はすごいと思うよ」

模話2「ちょっと長くなったので、今回はこのへんで終わりにしないか」
模話1「そうだね」
模話2「続編で、またいろいろちゅーとはんぱ世代のしゅうかつロックをかたりましょうね~」
模話1「うちなー方言ですね。はいさい」
模話2「にふぇーでびたん」

※アーティスト名や曲名などは間違ってたらごめんなさい(以下同)

【つづく】

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