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最果てに

去年の秋から、今年の初夏まで
大恋愛とは呼べない些細な恋をして、

この前、なんでもない日にそれは終わった。

劇的なラストも、涙の別れも、
そこにはなくて。

だんだん小さくなって、
当然のように息絶えた。


ひとつの恋が終わったのに私の心は穏やかで
何事もなかったように過ごせている。

振られた次の日も普通に起きて、バイトに行った。その次の日もその次も夜にふと泣くことすらなかった。

悲しい、という感覚はもちろんあって
でもそれがあまり表出してこないことに自分自身で驚いた。


そして今日。さっき。駅の改札を通った時。
急に腑に落ちた。

私は振られたあの日、あの電話の後、
もうあの人のことを好きではなくなっていた。

今こころにあるのは、習慣づいた感情で
違和感を感じていたのは、現在の感情と違うからであって。

彼に抱いていた抱えきれないほど大きな気持ちは気づかないうちにしぼんでいって、
あの日に音も出さずに無くなったんだ。


そう気づくと、心が軽くなった。


なんだかどこまでもいけるような気がする

ひとりで生きていける気がする


多分そう思うのは今だけかもしれないけど

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