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お地蔵さんぽ

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人々を苦しみから救ってくれる存在として、古くから日本人に親しまれてきたお地蔵さま。 子どもの頃からいつも側にいる、ちょっと不思議な守り神を探す「お地蔵さんぽ」。 きょうもお地蔵さ…
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2018年8月の記事一覧

#19 目の病に効くという「めやみ地蔵」@北千住 長円寺

人々を苦しみから救ってくれる存在として、古くから日本人に親しまれてきたお地蔵さま。 子どもの頃からいつも側にいる、ちょっと不思議な守り神を探す「お地蔵散歩」。 きょうもお地蔵さまを探しながら歩いています。 北千住にある長円寺の一角にユニークなお地蔵さまがいらっしゃる。 めやみ地蔵だ。 目の病に効能があるとされているお地蔵さまだ。 そういえば、ある病気に特化したお地蔵さまはけっこうある。 以前紹介した浄名院の「へちま地蔵」は、たん、咳、喘息が治るというお地蔵さまだ。 こうし

#18 顔の削れた「かんかん地蔵」と縁結びの「仲良し地蔵」そして「六地蔵」@北千住 安養院

人々を苦しみから救ってくれる存在として、古くから日本人に親しまれてきたお地蔵さま。 子どもの頃からいつも側にいる、ちょっと不思議な守り神を探す「お地蔵散歩」。 きょうもお地蔵さまを探しながら歩いています。 顔の削れた「かんかん地蔵」と縁結びの「仲良し地蔵」そして「六地蔵」 今回うかがうのは、北千住にある安養院。 こちらにはユニークなお地蔵さまがいらっしゃる。 まず、かんかん地蔵という変わった名前のお地蔵さま。 なぜ、「かんかん」なのかといえば、小石でお顔をかんかん叩きな

#17 お地蔵さまがいっぱいの浄名院@台東区上野

人々を苦しみから救ってくれる存在として、古くから日本人に親しまれてきたお地蔵さま。 子どもの頃からいつも側にいる、ちょっと不思議な守り神を探す「お地蔵散歩」。 きょうもお地蔵さまを探しながら歩いています。 お地蔵さんを語るうえで必ず触れなければいけないのが、上野桜木町にある浄名院であろう。 とにかく境内にはものすごい数のお地蔵さまがいらっしゃる天台宗の寺院だ。 前回ご紹介した佃天台子育地蔵もこちらからのお寺から譲られたお地蔵さまだそうだ。 境内には2万4000体ものお地蔵

#16 狭い路地にある佃天台地蔵尊@中央区佃

人々を苦しみから救ってくれる存在として、古くから日本人に親しまれてきたお地蔵さま。 子どもの頃からいつも側にいる、ちょっと不思議な守り神を探す「お地蔵散歩」。 きょうもお地蔵さまを探しながら歩いています。 今回は佃島にあるお地蔵さまを訪れた。 佃島は、佃煮発祥の土地であり。 その地名の通り、もともとは島であった。 かつて徳川家康が摂津の佃(現在の大阪市淀川区)のあたりで、舟がなく困っていたときに、助けてくれたのが佃の漁師たちだった。 それから、佃の漁師たちと家康のつきあい

#15 名もない地蔵尊

人々を苦しみから救ってくれる存在として、古くから日本人に親しまれてきたお地蔵さま。 子どもの頃からいつも側にいる、ちょっと不思議な守り神を探す「お地蔵散歩」。 きょうもお地蔵さまを探しながら歩いています。 僕がいちばん好きなタイプのお地蔵さまは、名前もよくわからない、ネットに情報が出ていなくて、極端なことを言えば、それがお地蔵さまなのかどうなのかさえも判然としないものが好きだ。 墨田区役所の近くに枕橋というのがあって、その橋のたもとにお地蔵さまなのかなんなのか、よくわから

# 14 60年前、娘の病気平癒のためにつくられたお地蔵さま

人々を苦しみから救ってくれる存在として、古くから日本人に親しまれてきたお地蔵さま。 子どもの頃からいつも側にいる、ちょっと不思議な守り神を探す「お地蔵散歩」。 きょうもお地蔵さまを探しながら歩いています。 僕と北尾トロ、フリーアナウンサーの鈴木貴子さんで3人で町中華をめぐるという番組「ぶらぶら町中華」の第2シーズンが始まった。 昨年は東京都内の町中華をめぐったのだけれど、第2シーズンは、新潟、長野、福岡でロケを慣行。 いよいよ放送されることになった。 第2シーズンの1回目の

#13 背面地蔵尊

人々を苦しみから救ってくれる存在として、古くから日本人に親しまれてきたお地蔵さま。 子どもの頃からいつも側にいる、ちょっと不思議な守り神を探す「お地蔵散歩」。 きょうもお地蔵さまを探しながら歩いています。 東京メトロ、三ノ輪駅からすぐの場所にある吉野屋のところに、ヘンな看板を見つけた。 よく見ないと、見逃してしまうような貼り紙がある。 近づいて見てみるとこんなことが書いてあった。 背面(うしろむき)地蔵尊。 おもしろいネーミングのお地蔵さまだ。 しかし、参道入り口と書

#12 道玄坂地蔵尊

人々を苦しみから救ってくれる存在として、古くから日本人に親しまれてきたお地蔵さま。 子どもの頃からいつも側にいる、ちょっと不思議な守り神を探す「お地蔵散歩」。 きょうもお地蔵さまを探しながら歩いています。 1990年代半ば、僕は月に1度、夜に道玄坂をのぼった。知り合いがクラブイベントを月に1回やっていたからだ。場所はクラブマルヤマというところで、道玄坂からではなく、内側の路地を歩いたほうが近道なんだろうけれど、クラブやラブホテルの立ち並ぶエリアでけっこう複雑で、なかなかたど

#11 吉展地蔵尊

人々を苦しみから救ってくれる存在として、古くから日本人に親しまれてきたお地蔵さま。 子どもの頃からいつも側にいる、ちょっと不思議な守り神を探す「お地蔵散歩」。 きょうもお地蔵さまを探しながら歩いています。 『散歩の達人』2018年1月号で町中華の特集をするので、ずいぶ多くのお店を取材した。 そのなかで、雷門にある生駒軒に取材したときのことだ。 暖簾分けで一時は都内にいくつもあった生駒軒、この店も78番目に出来た店だそうだ。 で、1号店はどこなのかと聞けば、「吉展ちゃん誘拐事

#10 首切地蔵@南千住・小塚原刑場跡

人々を苦しみから救ってくれる存在として、古くから日本人に親しまれてきたお地蔵さま。 子どもの頃からいつも側にいる、ちょっと不思議な守り神を探す「お地蔵散歩」。 きょうもお地蔵さまを探しながら歩いています。 上京して、まず行ってみたかった町が南千住だった。 漫画「あしたのジョー」の舞台になっていた泪橋を見たかったからだ。 作中では、丹下段平の「丹下拳闘クラブ」が泪橋の下にあった。 しかし、南千住に行ってみると、泪橋はすでになくなっていて、交差点の名前に残るのみだった。 泪橋

#09 半助地蔵@浅草

人々を苦しみから救ってくれる存在として、古くから日本人に親しまれてきたお地蔵さま。 子どもの頃からいつも側にいる、ちょっと不思議な守り神を探す「お地蔵散歩」。 きょうもお地蔵さまを探しながら歩いています。 幼い子供が亡くなったら、地蔵を建てるというということはよく聞くが、成人が亡くなっても地蔵になるケースがある。 今回紹介する、半助地蔵もそのなお地蔵さまのひとつだ。 浅草4丁目にある千束小学校の隣に浅草中町会事務所というのがあって、その敷地内に半助地蔵尊がいらっしゃる。

#08 貧乏が去る像「桃太郎電鉄」@東京・谷中

人々を苦しみから救ってくれる存在として、古くから日本人に親しまれてきたお地蔵さま。 子どもの頃からいつも側にいる、ちょっと不思議な守り神を探す「お地蔵散歩」。 きょうもお地蔵さんを探しながら歩いています。 谷中を歩いていると、妙泉寺の境内に面白い石像を発見。お地蔵さまではないけれど、おもしろいので、紹介したいと思う。 「貧乏が去る像」という名前が刻まれた石碑が建ち、その横には貧乏神の頭の上に猿が乗っている。まず、貧乏神の頭を撫でて、猿の頭を撫でると貧乏が去るそうだ。 僕

#07 さまざまな理由でお地蔵さまは立っておられる

人々を苦しみから救ってくれる存在として、古くから日本人に親しまれてきたお地蔵さま。 子どもの頃からいつも側にいる、ちょっと不思議な守り神を探す「お地蔵散歩」。 きょうもお地蔵さんを探しながら歩いています。 『散歩の達人』という雑誌で上野の特集をやったんだけど、僕はそのなかで「お地蔵さまマップ」を1ページほど書かせてもらった。 新宿から上野に引っ越してきて3年、このあたりはずいぶんお地蔵さまが多いなと思って出した企画が、通ったのだ。 「お地蔵さまマップ」はイラストで構成する

#06 地蔵尊@等々力渓谷

人々を苦しみから救ってくれる存在として、古くから日本人に親しまれてきたお地蔵さま。 子どもの頃からいつも側にいる、ちょっと不思議な守り神を探す「お地蔵散歩」。 きょうもお地蔵さんを探しながら歩いています。 2017年の夏は妙に暑い日が続いたかと思えば、ずっと雨だったりとおかしな夏だった。 ところで、夏の散歩の定番といえば、東京では等々力渓谷だろう。 東京23区内にあって、唯一の渓谷だ。 東急大井町線の等々力駅から歩いてすぐの場所にある。 行ってみれば、こんな都会に渓谷があ