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黙示録

「お前、やりたい事はないんか?」
よく親とか周りの大人や先生に小さい頃から言われてた言葉なんですけど、正直トラウマになるくらいと言いますか。
割と今は言われる事少なくなったけど、結構太めの棒で頭を叩かれたくらいの心のダメージは食らうんですよね。

というのも、自分は一人っ子でして。
自分に似た兄弟、姉妹とかが居れば人生の見本と言いますか同じ遺伝子を持った人が失敗したり、褒められたりする姿みて自分はこうすれば良いんだって学べたりするのになぁ
って小さいながら思っていました。

失敗がすっごく怖い、と思ってた子だったんですよね。
怒られるって事に凄く臆病だったんです、大人が怒る姿。怒鳴ってる声が風船や花火の爆発音に聴こえてたんです。
今でも大きい破裂音など苦手なんですがね。

だから、怒られない為にはどうすれば良いかって一人っ子マンは考えたわけなんですよ。
それで出した答えが、『周りに合わせて居れば怒られない』だったんです。
”出る杭は打たれる”っていうのを小さいながら気づいてたんです。
でも怒られない事は出来ても、褒められる事は出来ないんですね。

そしてある時、聞かれたわけですよトラウマの言葉。

「なにか、やりたい事ある?」

その時リトル馬越琢己、なんにも答えられなかったんですね。
答えられる訳ないですよね、ずっと周りの顔色を伺って、他の人に合わせてここまで生きて来たんですから。
流れるのは、沈黙の時間と変な汗ですよ。

このままじゃいけないって思ったんです、思春期真っ盛りマン。
でもマジでどうすれば良いか全然わからないんですね。人生のデータに、前例が無さ過ぎるんで。
そこから色んな事しました。親にも迷惑かけました、でもわからないんです不思議と。

気付いたら二十歳越えてました。いや、かかり過ぎだろって。といっても、そんなもんじゃないでしょうか。

ある時、転機が訪れたんです。それが芸能活動でした。
役者志望、全く大学での工学部機械工学科専攻とは関係ないものですね。

理由としては役者になると、様々な職種になる事ができるんじゃないか。人の顔を伺って生きて来た事が生かせるんじゃないか。

この仕事してると気持ちが楽なんですよね。

「お前、やりたい事はないんか?」

この質問に答えられる様になったからだと思います。

もし、昔のリトル馬越ボーイに会ったら言ってやりたいですね。


「やりたい事は見つかるから、楽しみにしとけ」と

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