薬局キャラクター

なぜ薬局がコミュニティスペースなんてやってるの?その1

はじめまして。兵庫県で薬局を経営している福田惇(ふくだ じゅん)と申します。お店は尼崎に2店舗あり、1つの薬局ではコミュニティスペースを併設しています。
薬局を開業したばかりの時は、コミュニティスペースはなく、普通の調剤薬局でしたが、2019年4月から新しい試みとして薬局横にコミュニティスペースを作りました。
今回は、なぜ薬局がコミュニティスペースの運営なんてしているのか?きっかけはなんだったのか?どんな事をしているかなどの話ができればと思っています。

自分は薬局をしていて誰かの役に立っているのか?

2013年の3月に薬局を開業して以来、患者さんのために役立つ薬剤師でありたい、価値を提供したいという思いはずっと持っていました。開業してからも必要な技術や知識は身につけられるよう常に努力してきました。
まだまだ未熟ですので、生涯に渡り勉強していこうと思っておりますが、いくら私の技術や知識が向上したとしても、薬局の経営が成立しているのは、近くで開業しているお医者様がいらっしゃるというのが大きいです。

つまり、ほとんどの患者さんは病院の近くにあるから来てくれているだけで、私の薬局に行きたいから来てくれているわけではありません。もちろん、病院の近くの薬局には行かず、私の薬局を選んで来ていただいている患者さんもいらっしゃいますが、全体の人数で言えばまだまだ少ないです。

昨今、高齢化に伴い、日本は病院での看取りではなく、ご自宅や施設での看取りを進めており、地域包括ケアと言って、病院ではなく住み慣れた地域に帰り、地域の人が支えながら最後を迎えられるようなシステムを作ろうとしています。

その中で、薬局も地域の一員として役割を果たすには、病院の近くにあるからではなく、地域の人に選ばれていなければ役割を果たせないと思っていました。
そこで考えたのが、「選ばれる薬局」とはどんな薬局なのか?という問題です。

きっかけをくれた第1回薬局アワード

いろんな人に聞いてみたり、自分ならどんな薬局に行きたいかなと考えましたが、正直答えは見つかりませんでした。
ただ、一つだけわかった事としては、薬局のファンになってくれる人がいれば家から少し離れていても、来てくれるだろうと言うことです。

とは言うものの、ファンを作ろうと思ってすぐにファンができるわけがありませんよね。そもそも「ファン」とはどういう状態のことを言うのか?これまた振り出しに戻って悩んいる時に、「薬局アワード」という、全国から創意工夫をしている薬局が集まりプレゼンをするイベントに登壇者として参加のお誘いがありました。

お声がけしてもらったのは嬉しかったのですが、登壇出来るほどの薬局を作れていないという思いがあり、お断りさせて頂きました。でも、全国の工夫している薬局の話は是非聞いてみたかったので、オーディエンスとして参加させて頂くことになりました。

当日会場でプレゼンを聞かせてもらうと、全てのエントリー薬局が本当に創意工夫をしていて大変関心したのですが、中でも埼玉県の厚川薬局さんのプレゼンに夢中になりました。
厚川薬局さんでは、薬局の横にコミュニティスペースがあり、そこで地域の人と一緒に薬局を作り上げるという取り組みをされていました。正直私は薬局がするイベントはつまらないもので、〇〇測定会とか、薬の講座みたいな事が多い印象で積極的にやろうとは思わなかったんですよね。
ですが、厚川薬局さんでは、薬局がイベントをつくるというよりも、地域の人と一緒に作り上げていて、参加している人が本当に楽しんでいました。

厚川薬局さんのプレゼンを聞いて、私の「ファン」の定義は、好きとか、応援しているを超えて、「一緒に盛り上げてくれる人達」になりました。
それからは、自分も地域の人ともっと関わりを持ちながら、地域の人と一緒におもしろい薬局を作っていきたい!という思いが湧き上がってしまい、薬局にいるのではなく、薬局の外の活動を初めてみる事にしました。

その2へ続く




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