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ヒヤリハットの軌跡

インシデント報告書は盛んに集まっています??
なかなか定着や活用が難しくありませんか?

1.ヒヤリハットの軌跡

ヒヤリハットがとても大切であると事故対策などの研修や学びでよく聞くことが多く、介護の現場でもインシデント報告書としての活用が促されているわけですが、これがなかなか難しい。
日々の業務の中で、更なる報告書となると難易度が高くなるにつれ、インシデント報告書というメンタル的なブロック。
「書こう」と、思えるまでの壁の高さ…
 
私は、ヒヤリハット、いわゆるインシデント報告書の形や取り組みは、流動的に変わって良いと思っていて、定着しないのは「今の取組や形が、今の現場・チームには合っていないから」と、15年の経験と共に最近ようやく7通り目の形で定着してきたように思います。
 
■通常通りの(施設で用意されている)インシデント報告書。
■ユニット独自の報告書に改良。
 一部職員の交換日記のようにしかならずに頓挫。
■ユニット連絡通路に利用者コルクボードを設置して、簡易メモ紙に貼り付けるコルクボード式に。
■簡易メモ紙を色分けで内容(種別)分け、一目で区別がつくように。
■内出血が多く散見され、内出血の確認表を作成(経過がわかるように)。
■職場が変わり、一般的な報告書。
■ハッとしてGood!!ノートとしてポップ色を強めに。
■上記の取組に対して、職員参加式順位付けと上司からのコメント返答を追加。
 
それぞれの詳細は割愛しますが、あの手この手と色々試して、今は黙っていても一定数は集まるようになり、定員11名の通所施設で年間100件は下らずに数年経過しています。

2.ハッとしてGood!!ノートとは!?

どんな取り組みかというと、

■所定のノートにメモするようなスタイルでOK。
■ミーティングで話す場を設けていること(これは意識づけ)。
■ミーティングに参加できない職員や言い忘れていたり、帰ってから思い出したりしても付箋や雑紙に書いて貼ってもOK。

とにかく、手軽に書けることを優先!!
そして、
■ヒヤリハット以外に、職員の対応など良かったことも書く!!

お互いの承認行動です。
なので、ポジティブな内容も集まります。

これに対して、ひと月ごとに集計して、職員全員にポイント分配(1人5ポイントを好きなように分配して順位を出す)してもらって、上司から一つひとつにコメントを添えて結果発表を行う。

簡単に説明するとこんなところです。

このポップさが、
今の職場にはマッチングしたようで、
7年前の開始から、件数経過としては、
平成28年:127件
平成29年:91件
平成30年:67件
令和元年:79件
令和2年:148件
令和3年:139件
令和4年:131件 
(開始当初は、コメント・ポイントの取組は行っていません)
以上、ここ数年は年間100件は下らないようになりました。


3.この取り組み…有効なの??

有名なハインリッヒの法則では、1件の重大な事故のもとには、29件の軽微な事故があり、300件のヒヤリハットがあると言われています。
7年間の取組の総計が782件の報告があるので、割合に換算すると、

▼2.6件の重大な事故があり、
▼75.6件の軽微な事故、
▼782件のヒヤリハット
以上になるところが、

実数では、
▼2件の重大な事故
▼18件の軽微な事故
▼782件のヒヤリハット
と、なっています。

重大な事故は割合としては適当。
軽微な事故は、
割合からすると75件のところ18件ということは、7割程度少なく抑えられていると考えると、この取り組みは有効だと判断。

こう数字にして見てみると、ヒヤリハットの取組が上手く回れば、軽微な事故を抑えられる可能性があることがわかります。

なので、報告書という形にとらわれずに、
いかに活用できるか!!
そのためには、どんどん変えていい!!
今、場所、人にあった形を創っていくことが大切だと思います。

実際にどんな内容が出て、どんなコメントがなされているのか、
これから紹介していければ良いなと思っています。


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