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ヒヤリハットのシェアリング#7

「気をつける」
気を付けるという言葉ほどリスクマネジメントで不確かなものはない。

※弊社で行っているヒヤリハット(インシデント報告書)の活動内容をそのままシェアする回となっています。
※弊社のヒヤリハットの活動は、インシデントのみならず、気づいたことや良かったこともシェアする内容となっております。



1.原文

休憩中にバランスを崩して、膝たち状態になっている。

2.コメント

以前のように倒れなかったことが幸いでありますが、何度も起きてはいけない事案でありますね。
傾きが強く姿勢保持が難しい日と、1日元気だった日では、当然リスクの感度は違います。

この日は、
・午前中も前傾姿勢に姿勢を崩していたこと。
・昼食時から眠気が強く、ソファーに戻った後も傾眠状態が続くと考えられること。

以上から、リスク度は高かったと思います。
何度も言いますが、
その日の利用者、
その日の職員人数・配置、
その日の利用者さんの状態に応じて、
今自分が“どこ”にいて、
“誰”の“何”を注意しなくてはならないのか、
そのためには、
自分が“どのポジション”で、
“どのように”対応しているのかを考えることが大切です!!

考えて行動しているから、
今回上手く行かなかったときに次の工夫が生まれます。

何も考えていないと、
「気を付けなきゃ」と思うものの、新しい対応や工夫は行わずに、
また同じことを繰り返します。

『気を付ける』という、メンタル面の対応ほど、不確かで難しいのです!!

3.詳細補足

自立歩行困難で車いす移動、移乗は全介助。
麻痺はなく、座位保持は可能であるが、せん妄状態での動き(目の前にあると思われている何かを取ろうと手を伸ばす)や、傾眠状態で前傾姿勢になることが多くなっている。
普段は、ソファーに座って過ごしている。
以前に、ソファーとテーブル(ソファーの前に置いている折り畳みのテーブル)の間に倒れた事故が発生している。

4.シェアリングタイム

限りなくアクシデントとインシデントの境目のケースですが、

防がないとダメだ!!
と、言うことを押し出しても、
決まったことや決められたことをこなすだけで、違う事案に応用できなかったり、自分の力になっていないことが残念なことだと感じています。

そこで、
最近のテーマは、“考える”として、お伝えしています。

勤務している時間は8時間。
気を付けるポイントは、常に同じじゃない。

どの時間はあのことを。
あの時間はそのことを。

それぞれの時間、
曜日(通所であれば)、
人、
様々な状況で変わるものです。

そのポイントを自分で考えて、
行動して、
その結果どうだったのか、
それをまた考えて、
工夫して、
次の行動に変える。

この繰り返しが大事。

何も考えずに、危ないね。
「気を付けよう」と思っていても、
実際の行動として気を付けているのではなく、

気を付けている気になっているだけ。

なので、同じことが起きても、
「危なかったね。やっぱり気をつけなきゃね!!」
と、同じ繰り返しが起きてしまいます。

気を付けないといけないのは、
もちろんその通りで何の間違いもないんです。
ですが、
何をどのように気を付けないとならないのかが伝えられていないと、
変わらない。
変われないんです。

その、「何をどのように」が考えられるように意識をしてコメントを考えています。

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