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夏はじめのおさかな 2

7月になると街中では提灯とお囃子の音で一気にお祭りムードになる。
京都、夏の味覚として欠かせないのが、梅雨から祇園祭の頃に脂がのる鱧(はも)だ。関西ではお馴染みの食材で、スーパーに並べられているので最初はびっくりしたものだが、今ではそんな時期かぁと思わせてくれるものの一つになった。
その昔、海のない京都では担ぎと呼ばれる人が港から海産物を運んできていた。夏場はどうしても新鮮な状態を保つことが難しかった中で、鱧だけは生命力が強く少量の水があれば生きたまま京都に届けられるため当時の人はとても重宝したという。「海のもんは新鮮でなくちゃね」という気持ちはいつの時代も変わらないらしい。
気になるお味は、あっさり淡白。料理によって様々な味を楽しめることに加えて「ふわっ」と「しゃりっ」の間の食感がいい。はも、はも、鱧。まあるく心地良い音が食感と合っている気がする。そんな「はも」の由来は「歯もち」や「食む」と言われている。鰻のような見た目で鋭い歯をもち、一度指に噛み付いてしまうとなかなか離してくれないちょっとキケンなお魚のようです。

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