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政治が小賢しくなった理由

30年ほど前に、ある政治家にクチキキしてもらったことがあります。
ちなみにそのクチキキとは、大手旅行代理店でも入手不可能な人気寝台列車の最特等室チケットの購入でした。
ただ自分からお願いした訳でなく、ボクが漏らした願望を親戚が聞き、ヨッシャヨッシャ、センセイに言うといたるとなり、その政治家がヨッシャヨッシャ、あんじょうやっといたるとなって、買えたのでした。
ちなみにその政治家は当時新進気鋭の運輸政務次官、今で言う国土交通副大臣、その後あれよあれよと党幹事長まで登り詰めた超超大物剛腕政治家、今度引退するあの人のことです。

政治家のクチキキをしてもらった人間の口で、政治家の批判はできません。
ただ政治の批判はできるでしょう。
そう。
タイトルのように最近の政治はあまりにも小賢しい。
いちいち例を挙げるのも馬鹿馬鹿しくなるほどに小賢しい。
なぜ政治はこんなにも矮小に小賢しくなってしまったのか。

結論から言ってしまいましょう。
国民やマスコミが「政治とカネ」について細かく厳しく追及するようになったから、と考えています。
20万だ10万だ5万だとか言っているから、政治家は小さなお金の単位で汲々としてしまって、視野が窮屈になってしまったのです。
政治にクリーンさを求めること自体が間違っているのでしょう。
国をきちんと導いてくれるのなら、いくらでも私腹を肥やしたらいいのです。
金庫には、無記名の債権やら金の延べ棒やらがゴロゴロあって、庭の池には錦鯉が何匹もいてもいいのです。
いやむしろ私腹を肥やすくらいじゃないといけない。

外交では、時には数兆円の太くて黒い私腹の怪物を相手にするのです。
国に帰ればパー券をチマチマ数えている政治家が勝てるでしょうか。
池の錦鯉に餌をまきながらじゃないと、深謀遠慮な政策は考えられないでしょう。

そういう意味で言えば、かのセンセイは最後の太い政治家になるかもしれません。
その対中姿勢はどうかと思ったけど、パンダを何頭も引っ張ってきて、空港を作るだけでなく羽田と1日3往復させ(地方にはとりあえず作っただけの空港の何と多いこと)、県内はほぼ無料の高速道路網を整備し、古い道だけなのに世界遺産登録させ、民間初のロケット発射場を誘致したという、そのあからさますぎる利益誘導の剛腕たるや、あっぱれじゃないですか。
ね。恩があって批判できないのです。
顔はいかにも悪いですけどね。顔くらいの悪口は構わないでしょセンセイ。会ったことないけど。あの時はありがとうございました。どうかお元気で。それではまた。


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