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たじま未来プロジェクト、始動。

神戸学院大学の岡崎です。専門は社会学。

社会学は、社会を研究する学問なのですが、研究している自分自身が社会をつくる一員であるという点が、おもしろいところです。社会をつくりながら、社会を考える、ということです。

大学ではいろんな授業を担当していますが、そのひとつが、地域活性化をテーマとしたゼミ&実習授業です。社会学系であれば、ふつうは、ある地域について調査したり、関係者にお話を聴いたりして、その結果をレポートにまとめる、みたいな授業が多いと思います。

でも、そんなふうに外側から観察するだけで、ほんとに地域活性化が学べるのかなーと疑問に思うところがありました。

自分自身が地域活性化に取り組みながら(内に入る)、地域活性化とは何かを考える(外から見る)、という二重の関わりが必要ではないかと思うんです。

もちろん、授業というかたちで出来ることは限定されています。でも、授業だから出来ることもあるはずだ、と思うのです。

それから、私の専門は社会学だと言いましたが、それは職業の話で、魂のレベルでいえば、私はバンドマンです(儲からないけど)。地域を活性化する方法はいろいろあるけれど、音楽や映像のチカラで出来ることがあるはずだ、自分はそれをやらないと意味がないだろう、と考えました。

それで、大学の地域活性化プロジェクトに音楽・映像制作の要素を取り入れることにしました。いわば文化社会学の体験実習です。

私は長いあいだ音楽活動をしてきたので、ミュージシャンの仲間がたくさんいます(たぶん学者の仲間より多いです)。そのなかでも「この人!」と思う二人に協力してもらうことにしました。

アヤヲさんと山田明義さんです。ふたりはメジャーシーンで活動した経験もある、素晴らしいシンガー&ソングライターです。

2015~2017年は、兵庫県神河町と連携し、「神河プロジェクト」を展開しました。http://kamikawaproject.com/

この取り組みから生まれた曲が「たからもの」です。地域のたからものをみつけて、磨いてゆこうという想いがこめられています。学生たちは神河町の魅力を伝える動画作品や「たからもの」のミュージックビデオを制作しました。https://www.youtube.com/watch?v=tPIbJiOfYvw&feature=youtu.be

2018~2019年は、兵庫県養父市と連携し、「やぶらぶプロジェクト」を展開しました。http://www.yabulove.net/

この取り組みから生まれた曲が「おくりもの」です。地域の「たからもの」を未来へのおくりたいという想いがこめられた歌です。https://www.youtube.com/watch?v=C9tmSbQsZZE

私たちは、神河町や養父市で親子イベントを開催し、アヤヲさんと山田明義さんのライブをおこないました。公立八鹿病院で患者さんたちを前に「おくりもの」の合唱を届けたこともあります。

文化の力で地域を元気にしようと試みるなかで、私たちは、地域活性化とは何か、何ができて、何ができなかったのかを学んできました。それは、地域で、地域に学ぶ取り組みでした。

2020年度は、地域を養父市から但馬地域に拡げて、さらにプロジェクトを展開する予定でした。すでに2月にピアサポーターの学生たちと豊岡市に下見にも行き、現地の方と話し合って、プロジェクトへの協力も依頼しました。

準備万端。「たじま未来プロジェクト」と名づけたプロジェクトが前期授業の開始とともに4月上旬から始まる予定でした。

それが新型コロナウィルス感染拡大の影響で、状況がまったく変わってしまいました。

大学の方針で、授業はすべてオンラインでおこなうことになりました。感染リスクを拡大しないように、現地との交流も中止になりました。学生たちは地域を訪れることもできないし、集まって話し合うこともできない。

じゃあ、地域プロジェクトなんか今年はもう無理じゃないか、と思う人もいるでしょう。

たしかに、これまで5年間やってきたのと同じことはできないでしょう。でも、なにかできることはある。離れていても、できることはあると思う。

それは何かは、まだ、わかりません。でも、「離れていてもできること」を追求することで、前に進みたいと思うのです。

授業は5月15日に始まるのですが、今日はピアサポーターの4人と1時間ZOOMで遠隔会議をしました。私はプロジェクトの「監督」。ピアサポーター(略称ピアサポ)は、昨年や一昨年にプロジェクトに参加した先輩の代表で、「コーチ」として後輩たちの取り組みをサポートしてくれる人たちです。「ゲストコーチ」に山田明義さん。「選手」は新しい2年生21名。会場はオンライン空間になりそうです。

今日は、選手たちがやってくる前に、監督・コーチ・ゲストコーチで作戦会議をした、というわけです。

でも、そもそも何の試合なのですか? 試合なんてできるんですか? という状態なのですが。

まず、なんの試合ができるか考えよう。できる試合は何かを考えよう、ということなのです。

誰も経験したことのない状況で、誰もやったことのないことに挑戦する。

できないことはたくさんあるけれども、それを嘆くのではなく、いまできることを考えて、工夫して、やってみる。不安も、失敗も、ぜんぶ、大事にする。そのすべてがプロジェクト。そうとらえて、前に進む。前がどちらかわからないけれど、前に進む。

ざっくりいえば、そういう意識を共有したのが今日のZOOM会議だったと思います。

自分たちが何ができるか、次の会議までに考えておいてね。手持ちの機材で、どんな動画編集ができるか調べておいてね、ということで、会議室を「退出」しました。

たじま未来プロジェクト、始まりました。








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社会学者。バタイユ、デュルケーム、作田啓一の研究、文と芸の社会学。神河町、養父市、豊岡市で地域連携プロジェクトを展開。ファンクバンドBED BREAKERSのリーダー&ボーカル。
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