「CO2の拡散」と「微分方程式の解」( cos と cosh の違い )

参考:『道具としての微分方程式』第4話
(ブルーバックス、斎藤恭一 著、吉田剛 絵)

「移動速度論(移動現象論) Transport phenomena」
を柔らかく解説している本。



「収支式」から「微分方程式」への道のりは結構長い

「収支式」の呪文
「 入りー(たまご+消して)=出る」

  入り    出る 消して たまご
「 流入+生成ー流出ー消滅 =蓄積」

流入=面積×フラックスflux
流出=面積×フラックスflux

「流出ー流入」を「体積」で割ると
S ×( flux ー flux )/ SΔz =
[ N(z+Δz) ー N(z) ] / Δz → ∂N / ∂z

フラックス N = 拡散項 J + 対流項 C v

対流無しなら N = J なので、 ∂J / ∂z

フィックの法則(拡散項 J を 濃度Cに変換)
  J = - D ∂C/∂z
 ∂J / ∂z = ∂ [ - D ∂C/∂z ] / ∂z



三角関数(sin,cos,tan)「振動現象」の記述に適する
双曲線関数(sinh,cosh,tanh)「拡散現象」の記述に適する

バネの振動
「m dd x / dt^2 = ー kx」   (質量 m、バネ定数 k)
「 dd x / dt^2 = ー(k/m)x」
「 dd □ / dt^2 = ー( K )□」
(2階微分して符号がマイナスになるもの:三角関数)

CO2の拡散(アルカリ溶液に空気中のCO2が溶け込む場合)
「 D ∂∂ C / ∂z^2 = kC」  (拡散係数 D、1次反応速度定数 k)
「 ∂∂ C / ∂z^2 =(k/D)C」(CO2の濃度 C、ビーカーの深さ方向 z軸)
「 ∂∂ □ / ∂z^2 =( K )□」
(2階微分して元に戻るもの:双曲線関数)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?