No.11 パープルアイ

『パープルアイ』

瞳から時おり
紫の雫
希望に満ち溢れる

懐かしいプラネタリウム
大空に並ぶ青写真
絶望しかねない未来に
塗りつぶされる空想
2人が出会った日本橋
完熟した夢に飲み込まれ
一段飛ばしに火に入る若さ

にぎった拳に詰め込まれた光
宇宙空間で引き裂かれるふたり

映写機との間で無限の往来を繰り返す心
夏の日に 互いのすべてを思い出す2人
おもちゃの地球に立ちあがる
夕日が差した日本橋

大蛇のように這い回る夜
逃げ惑う星々
2045年未来構想
宇宙の隅々へ架かる日本橋

貴賎によって裁かれる地球人
次のステージへと向かう日本橋
未来をみせる日本橋

化石の森で涙を拭き合い抱擁
再建される日本橋

怒りのままに凝視される空模様
雨の降らない日本晴れ

錦を飾りたい一心で泳いだ海
丸い瞳を覆う涙
遠くを見つめる横顔
予測不能なメランコリー
ビジョンの見えない未来
焦点の合わない瞳

雨はロマンチックだという人
与えたり奪ったりする人
魔法を解いてしまう人
ビートを刻み続ける人

なんでも音楽で捉える人
恋とか愛とかを育てる人
木を森に隠す人
終電後に泣かない人

唇から溶けていくルージュ
雨模様のパープルアイ


#瞳 #雨 #未来 #生殺与奪 #メランコリー #詩

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