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福祉と社会を株式会社という立場からダイレクトに、しかしゆるやかにつなぐ企業「ヘラルボニー」

ひっさびさにフツーにnoteに書きたくなった、個人的に大変アツい
企業があります。ヘラルボニー。

https://www.heralbony.jp/

ずっと応援するだろうし、何かプロダクトを買う以外のかたちもふくめて、一緒に何かやりたいとおもってる人たち。
10月31日まで阪急梅田9F催事場で作品とプロダクトの展示を行っています。ヘラルボニーの社員さんと話すのも楽しい。

一言で言うと「福祉と営利企業との間をいい感じに境界を溶かしに行ってる不思議な株式会社」。
いまは福祉施設の利用者さんがエネルギーをかけて生み出すアートを、高いプロダクトデザインの力で傘や家具、ネクタイやエコバッグなどに変身させている。

妻と息子と過ごしたり、自分のことを受け入れるプロセス中だったり、息子と同じ先天性の変異を持つ子どもたちの家族との関わりの中で思ったけど、福祉だけではカバーできない人が存在する。
国家予算というでかい資金で助けてくれたりはするが、おおざっぱな枠組みの中で認められなければいくら生活できなかろうが、なにがあろうが助けを得られないパターンもある。

ヘラルボニーは、いわゆる経済活動の中に、何かしら知的・精神などのハンディキャップのある人をダイレクトにつっこんでいく。
彼らしかできない作品を作るということと、それをプロダクトデザインで昇華することを通して。
そして、見た目も実に魅力的で、持ち歩きたくなるキャッチーなものがたくさんある。
当然、販売利益からしっかりと元デザインの作家さんにも還元されていく。

「障害のあるひとは施設で過ごしたり、就労支援・作業所に行って…」みたいなあたりまえを一つ壊す。
ご本人やご家族、かかわりのある人たちのなかでもそれは変化が産まれていくかもしれないし、鬼才的な才能に触れて、刺激を受け、行動をおこすきっかけになる人が生まれるかもしれない。

そりゃ、「障がい者アート」的なこころみはいままでもあったし、私もかかわったことが何度かある。
でも、なにかこう引っ掛かりを感じていた。
何かこう、みょうに気を使って見る人がいるというかなんというか。

「ふつう」とは何か。
日本では多数派が「ふつう」と言われて、それが常識であるかのようにいわれる。
「ふつう」でない者は奇異の目で見られる。それは、いろんな感情が混じった妙な視点だったり。

それでも、我が家では息子が発作をおこすのはわりと普通だし、そこらじゅうのものを口に突っ込むのも普通だし(ときどき本当に危ないので、止めにかかることもある)、私たち夫婦がかなり繊細なのも普通。
「大変だね」「しんどいな」とかいうひともいるけど、普通ということを受け入れてしまえば、日常になっていく。
それでいて、快適に過ごせるように、私たちと付き合いのある人をそうした観点の違いで突き放したりすることもなく、むしろこの状況を感じてもらって、一緒にゆったり過ごしたいと願ってみたりもする。

「ふつう」とは何か?
人が集まると発生はどうしても抑えられない、ある種の、集合意識的な虚像ではないだろうか。

ローマ法王に「世界でも心の冷たい人たち」と日本人を指されているけど、こうした虚像で「ことなかれ」的な感じでかかわって、自分の理解できないものにいっぱい壁を作っている。
だから、一緒にお出かけするのに疲れてしまったり、あきらめてしまったりする。かつての私たちもそんなこともあった。
ただ、形だけ「バリアフリー」をハードウェアでどうにかするだけじゃ、壁は取れなかったりする。

私の教室やワークショップに来ている人やそのご家族の中にも、そうした壁の結果―学校、友人、親族―故意にしてもそうじゃなくても、いろいろと思い悩んでしまうことだってある。
社会システムで見つからないグレーゾーンの「生きづらさ」だからこそ。

定義や言い回し、社会システムへの依存度の高さから、壁を国家がつくってしまうこともある。

国家がカバーできないからこそ、
ダイレクトに、しかしゆるやかに橋渡しとなっていくヘラルボニーのような企業が増えてくれば、社会はもっとおもしろく、楽しく、あらゆる人たちが受容しあっていける社会へと向かう。

障がい者支援で買う、というより、プロダクトがステキで買う。
シンプルになる。

私もこういうこと、やるべきことリストの中に入っているので、代表の方々、社員さんと話したり、息子と遊んでもらったりして、このビジョンの共有具合の高さにも触れてあらためて決意を固めました(重い上に暴れん坊将軍な息子を抱っこしてもらえてうれしかったです…!)。
一緒に社会をコネコネしましょう!ありがとうございました。

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