子どもを持たない人生を、ともに考える
けい先生です。不妊治療を続けてきましたが、ここしばらくは二人で子どもを持たない人生について、話し合いを始めています。
私のパートナーは、子ども好きです。甥っ子姪っ子と、非常に上手に遊びます。一方で疲れやすく、よく昼寝をします。朝は下手をするといつまでも寝続けるので、毎日、私が起こします。
デザイナーらしく鋭敏な感覚を持っていて、彼女は葉っぱを観て「あの緑がきれいだね」と言います。疑似AIの私は「そうだね」と返します。
月経は重たい方らしいです。毎月かなり苦しそうにしています。
2年前に子宮内膜症の手術を行いました。手術は無事終わりましたが、卵管造影で片方が通っていないことが分かりました。そもそも子宮内膜症は腹腔内の炎症や癒着から卵管の動きが悪くなり、卵子のピックアップ障害(排卵した卵子を卵管内に取り込む仕組みの不具合)がおきる病気です。
その後、2年間は人工授精を試しました。私自身も男性不妊検査をして、ムラはあるけれども、妊娠には問題なさそうとの結果でした。
本人はケロリとしているが・・・
少し以前から、ピル(経口避妊薬)を処方してもらい、月経痛を和らげる治療の話をしていました。本人は、いつの間にか大学病院で乳がんリスクの説明を受け、薬をもらってきました。
本人はいたってケロリとして、デザインの勉強をしたり、アニメや赤ちゃんの動画を観たりしています。いかにも楽しそうです。私はだんだん心配になってきました。
「こいつ、あんまり先のことを考えていないんじゃないか?」
と。
話をして「折り合い」をつける
パートナーは、今が楽しいと言います。私は「子どもを産まないといけないっていう観念に悩むことはある?」と聞きました。彼女は「1日に10回は考える」と言いました。
10回も考えているのか。何を隠そう、私も同じでした。
「子どもを産まなくてはいけない」これが脅迫観念であることは、理屈の上では分かっています。それでも、その呪縛を解くことは中々困難なのでした。
正しい答えなど、どこにもありません。
できることは、話をして「折り合い」をつけることだけなのです。
困難に対して目を背けるのではなく、せめて「ちょっとは見ておこうか?」くらいは、やっておくのがよいように思います。この日も、「まあ、どうころんでもいいように・・・」という玉虫色の結論で終わりました。ですが、お互い何となく、つかえがとれたようでした。
自分たちだけで結論を出さなくてもいい
もう一つ、提案したことがあります。これは、話しているうちに思い付いたことでした。それは、お互いの両親に出産を諦める意向を伝えることです。
そもそも不妊治療をしていたことも、パートナーは自分の両親に伝えていません。これは、何だかんだで重たい決断です。人生の先輩であり、自分を生んでくれた両親に話すことで、より良い答えが見つかるかもしれないと思っています。
答えは、まだ見つかっていません。ああだこうだ話しながら、二人の結論をいつか出したいと思います。
けい先生は、これからも無料で記事を公開し続けます。