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結婚して知った家庭の文化的格差

けい先生です。結婚して、自分が文化程度の低い家庭の生まれだったことを実感しました。実際に家に行ってみないことには、その雰囲気は分からないものです。

おもちゃが一杯!

パートナーの実家は、ご両親と彼女の兄夫婦の二世帯同居です。小さな甥と姪がいます。私が一番感銘を受けたのは、子どもたちがたっぷりおもちゃを買い与えられ、家族一緒になって遊んでいることです。

これを読んで、「当たり前じゃない?」と思った方は、経済的、文化的に安定した家庭に育ったと言えると思います。

おじいちゃんは、元物理の先生なので、子どもたちの工作を手伝います。その影響があるのか、姉弟ともに絵を描いたり物を作ったりするのが大好きです。なお、パートナーはデザイナーをしています。素質がある家系なのかもしれません。

対して、私の実家は遊びに行くと、基本的にテレビしか観ていません。それと、おもちゃは「ぜいたく品」のイメージでした。

日本はOECD諸国の中でもおもちゃを「ぜいたく品」ととらえる傾向があると言われています。先進国(とくに欧米)では、おもちゃは子どもの生活満足度を高める「生活必需品」として認知されています。このことは知識としては知っていましたが、実際に目の当たりにした衝撃はかなりのものでした。

年中行事を大切にする

お正月にパートナーの実家に行くと、決まってお母さんがお茶を点ててくれます。子どもたちと一緒に、お抹茶をいただきます。なお、私の作法レベルは幼稚園児並みです。節句には、お雛様や五月人形を飾ります。これも私にとっては新鮮でした。

パートナーの実家の雛人形

貧しい家庭の生徒たちを思う

さて、私が初めて赴任した学校は定時制高校でした。貧しい家庭の子どもたちが集まっていました。私はここで、自分がいかに恵まれた家庭に生まれていたかを知りました。

始めは自分の言うことが全然通じないことに、いら立ち、悩む日々でした。しかし何年も彼らと付き合う中で、育ってきた環境により、ことばも文化も異なるのだということが、肌身で感じられるようになりました。

少しずつですが、子どもたちのことばに耳を傾け、彼らに分かる易しいことばを使って授業をするようになりました。彼らの中には、実に悲惨な境遇の子どももいます。しかし、生まれや育ちに関係なく、どの子どもにも何か良いところがあるものです。それを知っただけでも、定時制高校で働いた価値はあったと思います。

まとめ~幸福のかたちは人それぞれ

私は、文化程度の高い暮らしを目指せと生徒に言うつもりはありません。どんな境遇にあっても、その人がしあわせだと思えば、それはしあわせなのです。ただ、世の中には多様な生き方や幸福のかたちがあるのだということを、子どもたちに語りかけたいです。さまざまな出会いの中で、自分のしあわせを見つけていってほしいと思います。


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