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『内外教育』を読む~いじめ法「普通の教師が生きる学校」を

けい先生です。教育専門誌『内外教育』(4月26日)で、大阪大学名誉教授の小野田正利さんが連載記事「いじめ法の放置から10年(14)―教師への厳罰化は待て!」を執筆されています。

「内外教育」は、職員室の資料コーナーに必ず配置されている専門誌なので、ぜひお読みください。老婆心ながら付け加えると、管理職、教育行政に関わるほどの人なら全員目を通しているはずです。教育情報の最新のトピックに関しては、内容の質、量ともにすぐれています。

小野田さんは自身のスタンスとして「人の人格と尊厳を傷つける『いじめ』は、いかなる理由があっても絶対に許されない」。そして「教師には、いじめ予防と検証、その後の再発防止が職責として求められている」。また、保護者には「他人任せではなく『第一義的責任を有するもの』(教育基本法10条)として、わが子の健全な成長を育む必要がある」。そして何より子どもは「『人格の完全なかつ調和のとれた発達』の中で『成長すべき』存在である(国連『子どもの権利に関する条約』全文)」とした上で、次のようにポイントを整理されています。

①「いじめ」という言葉に対する各人の固定観念が、いじめ実態の理解を妨げている
②いじめ法を順守すべき教師が、それを怠ったという理由での厳罰処分ムードが高まる
③しかし、あまりにも「被害者寄り」過ぎて、不可能なことまで教師に求めていないか

本文より引用

小野田さんは同シリーズで実に80本以上も、「いじめ防止対策推進法」の問題点を指摘し続けています。

それは「いじめ防止対策推進法」(以下、いじめ法)が、多大な問題点を抱えた法律であり、同時に保護者対応トラブルを頻発させる状態を、恒常的につくり出しているという、厳然たる事実があるからだ。

本文より引用(強調けい先生)

詳細は記事をお読みいただくとして、次の点は教育に関わるすべての人が心に留めておく必要があると感じました。

いじめ法で常に重い責任を一方的に課せられている教師は、すべてのいじめを撲滅できるスーパーマン(ウーマン)ではない。持続可能な社会(学校)を目指して、この論稿の主題にしている「普通の教師が生きる学校」を実現できるかが、同時に求められている。

本文より引用(強調小野田)

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