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【数学】一次不定方程式①

対象:定期試験,共通テスト 数学利用者

Q:A君は5本入りの赤鉛筆セット,B君は12本入りの青鉛筆のセットをそれぞれたくさんもっています.A君とB君の本数が変わらないようにセットのまま交換するとき,何本ずつ交換すればよいですか.

A 60本ずつ (5と12の最小公倍数)

さて,小学生の問題のような,中学受験の鶴亀算のような問題から始めましたが,一次不定方程式の整数解のお話をしていきます


一次不定方程式とは,多変数を含む方程式で
$${y=2x+1}$$などというものも一次不定方程式です
もちろん,解は無数にあり,それらの点をすべてプロットしたものが
座標平面上の直線$${y=2x+1}$$となるわけです

そして $${y=2x+1}$$ の整数解はと言えば
直線$${y=2x+1}$$上の点で,$${x\ 座標,y\ 座標}$$ともに整数のもの(格子点)となります

さて,実際に基本問題を解き方を確認しましょう


まず,なんでもよいので1つの解(特殊解)を見つけましょう
特殊解は,パッと思いつけばよいですが
思いつかないときはユークリッドの互除法を利用して見つけましょう




まず$${14x +39y=1}$$となる組をみつけ(組の存在はベズーの等式により保証されている),その後5倍します
特殊解を見つけた後は ほとんどの場合上記の解答ですが
次のような解答でも良いでしょう
格子点を探しているんでしたよね



傾き$${-\dfrac{14}{39}}$$が既約分数なので
すなわち14と39が互いに素なので 図の点の間には格子点はありません
もしあれば$${-\dfrac{14}{39}}$$が約分できることになってしまいます


さらには,次のような解答でもよいと思われますが
一般的ではないので,共通テスト等の答えのみのとき利用しましょう


答えだけなら,特殊解を求めた後で即答して良いでしょう
和が$${5}$$を保ったまま,一方を減らして他方を増やします
$${14}$$と$${39}$$の最小公倍数$${14×39}$$ずつ交換すればよいですね
最初の小学生の問題と同じ考えです
(差が一定の場合には,双方を同じ数だけ増やす)

今回は教科書の基礎的な内容でしたが,よく出題されますのでしっかり身につけましょう.

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